全国の女子受刑者は約3700人。高齢化が急速に進む一方で、出所後に「再犯」ですぐに戻る受刑者も後を絶ちません。塀の中の女たちは何を語るのか。女子刑務所にカメラが入りました。
女子刑務所 加速する高齢化、最高齢は94歳

鬱憤を晴らすかのように声を張り上げる女達。年に1度の“のど自慢大会”だ。
壁には非常ベルが付けられ、周囲では厳しい監視の目が光る。ここは200人が収容されている岩国刑務所。女子専用の施設だ。“塀の中の女達”の日々をカメラが追った。
住宅街で輝くイルミネーション。目を凝らすと建物はぐるりと塀で囲まれている。
平均刑期3年。犯罪は窃盗と覚醒剤でほぼ8割を占める生命犯、つまり人の命を奪った殺人罪の受刑者も1割近い。
刑務官「右を向くの。番号!」
受刑者「1,2,3,4」
高齢化が急速に進んでいて、最高齢は94歳。彼女は私達の取材中に出所したものの、2か月後、再び塀の中に戻ってきた。反省と後悔の言葉が空しく響く。

85歳・服役4回 常習窃盗
「お店に入ったときも(万引きは)しないよ、絶対しないよと思っている。だんだんお金払うのがバカらしくなる。しないという保証ができない」
86歳・服役4回 常習窃盗
「デパートで万引きしたことはありません。したのはスーパーです。焼き魚とか盗ったんです」

85歳・服役3回
「至れり尽くせり、食べさせてもらって、寝かせてもらって、お風呂に入れてもらって、最高じゃないですか」
15歳から覚醒剤を使用、“売人”を生業にしていた者もいる。
ーー(服役は)何回目ですか
50代後半・覚醒剤取締法違反
「9回。人生の半分いる。次きたら生きては出られないと思っている」
受刑者と刑務官がすっかり顔なじみというケースも多い。
担当刑務官
「ばつが悪そうな顔をする。『すみません』と最初に出る言葉はそれが多いですね。ここは困らないと思いますよ。食事も寝ることころも、仕事も適度にやって」