受刑者が語る後悔 コロナ禍で“闇バイト”に手を染めた留学生も

お盆を前に所長らがある場所に向かった。到着したのは刑務所が所有する無縁仏の墓地だ。高齢受刑者は“獄死”と隣り合わせだ。家族が遺体の引き取りを拒否するケースも少なくないと言う。
「コロナさえなかったら」と語る受刑者がいた。彼女は激しいDVが原因で同居していた男性を殺害した。犯行直前、DVから逃れようと海外の知人を頼り出国を試みたが、コロナ禍がピークで叶わなかった。
60代前半・判決懲役7年 殺人
「裁判員裁判で心情を汲んでもらって、私に有利なというか、罪状にしては短めの刑期だと思う」
自分の犯罪で家族が崩壊し、子供達とも絶縁状態だという。

60代前半・判決懲役7年 殺人
「5月に鯉のぼり揚げてあげたかったなと思い、俳句を。『鯉のぼりバンコクの児らへ思い馳せ』」
コロナ禍で仕事を失い、ネットの“闇バイト”に手を染めた留学生もいた。
20代後半・特殊詐欺
「コロナ禍で国にも帰れず、学費も心配で、バイトもなく、生活も厳しかった」
刑務所は塀の外からの情報に神経質だ。手紙の検閲は厳しい。雑誌類も薬物や自殺に関する部分は削除される。
刑務官
「薬物の快楽性や入手ルートなど、具体的な情報は削除の対象となる」
“塀の外”から美容師が一般社会の香りを運んで来る。

ーー気持ちいいですか
受刑者「はい。2か月に1回だけなので。美容がある日は嬉しい」
ーー口紅をしたいと思う?
受刑者「刑務所ではしたくないが、社会に帰ったらする」
受刑者「耳を出して欲しいんですけど」
外部からの美容師「出せないんで」

カットにも細かい規則があり、完全に自由とはいかない。
ーー気持ちいいですか
受刑者
「さっぱりしました。(白髪染めは?)ここでは染められない」
外部からの美容師
「美しくなりたい気持ちが伝わってくる。どこにいても女性の本質である、綺麗でいたいという気持ちは強いのではないか」