インバウンド増加に伴い相談も急増
害虫駆除を専門にする大分県玖珠町の会社ではトコジラミの相談が去年から急増。1か月に20件の駆除依頼があるといいます。
コクエイ消毒・長野雄樹代表:
「一番多いのはホテルや旅館で、コロナ明けからインバウンドのお客さんが海外からやってきて、それに伴い、問い合わせが増えてきている」
厚生労働省によりますと、トコジラミを持ち帰らないため、宿泊施設では入室後にベッド周辺やソファ、クローゼットなどをチェック。怪しければ、別の階の部屋の交換を要求するほか、旅行バッグはバゲージラックの上や浴室へ、脱いだ衣類はビニール袋などで保管するよう呼びかけています。また、消灯後、いったん照明をつけて、徘徊している虫がいないことを確認してほしいとしています。

長野雄樹代表:
「ダニの駆除は表面的に薬をまくが、トコジラミは隙間に薬を入れるので、薬剤も使う上に探すのも結構大変です。薬剤に抵抗性がついているスーパートコジラミもいるので、極力自分で持って帰らない対策が一番」
一方、2月にリニューアルオープンした別府市のホテルアーサーでは、トコジラミの被害は出ていませんが、警戒を強めています。

ホテルアーサー・日名子健太郎代表:
「デュベカバーというのをかけていて、直前に使った人の布団がお客様に直接触れることはほぼない」
また、従業員が布団や枕のカバーを取り換えて掃除機をかけるなど基本の清掃を入念に行い、今できる対策に注力しています。
日名子健太郎代表:
「トコジラミが出ると怖いからホテルを利用するのはやめておこうとなる。実は部屋だけの問題だったのに、ホテル全体のことにもなりかねない。宿泊施設として情報発信はしっかりしていかなければならない」
トコジラミはベッドマットの端や木枠など狭い場所に生息。1日に卵を数個うみます。厚労省はトコジラミを発見した場合、専門業者に相談してほしいとしています。コロナ禍前のような人の行き来が戻る中、“トコジラミを持ち込まない”ということが最も大切です。