ビル・クリントン氏勝利のきっかけも「スーパーチューズデー」

「南部スーパーチューズデー」の取り組みが選挙戦に大きく影響したのは1992年のことでした。当時、南部アーカンソー州知事を務めていたビル・クリントン氏(民主党)は、対抗馬のポール・ソンガス氏にニューハンプシャー州予備選挙で負けて苦しい選挙戦が予想されていました。しかし、中道派のクリントン氏はスーパーチューズデーでテキサス州やフロリダ州といった南部の州で勝利を収めます。この勝利をきっかけにクリントン氏は躍進し、最終的に民主党の指名を勝ち取りました。そして迎えた大統領選挙では当時再選を狙った現職大統領のジョージ・H・W・ブッシュ氏をくだし、第42代大統領に就任することになります。

史上最多24州が同じ日に「メガチューズデー」

予備選挙の影響力を増したい州が投票日を集中させる動きは加速し、2008年には過去最多となる、共和党・民主党あわせて全米24州で予備選挙や党員集会が行われました。割り当てられる代議員数の多いニューヨーク州やカリフォルニア州の予備選挙も行われたことから、この日は「メガチューズデー」などとも呼ばれました。

共和党はジョン・マケイン氏が対抗馬のミット・ロムニー氏を獲得代議員数で圧倒し、その後の共和党候補者の座を勝ち取ります。

一方、民主党はバラク・オバマ元大統領とヒラリー・クリントン氏が大接戦を演じました。勝利した州の数はオバマ氏の方が多かったものの、獲得代議員数ではクリントン氏に敗れる結果になりました。両者の争いは候補者指名レースの最終盤までもつれ、結局、オバマ氏が民主党の候補者に指名されます。

2024年はトランプ氏“圧勝” ヘイリー氏は「撤退」表明

2024年のスーパーチューズデー(共和党)は全米15州で予備選挙などが行われます。そのうち14州でトランプ氏がヘイリー氏に勝利しました。ヘイリー氏はバーモント州1勝をもぎとったものの、その後レースからの「撤退」を表明しました。結果的に、圧勝したトランプ氏が、11月の大統領選挙でバイデン大統領と再び戦うことになります。