3月5日火曜日、アメリカ大統領選・共和党の候補者指名レースは全米15州で予備選挙などが行われる「スーパーチューズデー」を迎えます。トランプ氏が14州で対抗馬のヘイリー氏をくだし、圧勝という結果になりました。ところで、アメリカではなぜ大きな選挙が火曜日に行われるのでしょうか。
大統領選挙「火曜日」の理由に“馬車”
日本の選挙における投票日は主に「日曜日」に設定されますが、アメリカの大統領選挙は「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」と決まっています。2024年の大統領選挙は11月5日に投開票が行われます。
大統領選挙の日付を決める法律が作られたのは1845年のこと。当時の市民はキリスト教徒が多く、日曜日は「安息日」にあたります。また、交通機関が発達していなかったため、主な移動手段は「馬車」でした。遠方の人が投票所に行くには丸1日以上かかることもあり、月曜日が投票日だと間に合わない可能性が考慮されました。そのため、アメリカでは大統領選挙の日は「火曜日」と定められています。そこから派生して多くの州では、予備選挙や党員集会が火曜日に設定されています。
スーパーチューズデーはいつから始まった?
「スーパーチューズデー」は、1976年にジェラルド・フォード氏とロナルド・レーガン氏が6つの州で共和党の候補者レースを争ったことが起源と言われています。しかし、この年の「スーパーチューズデー」は5月25日に行われ、候補者レースの“序盤”ではなく“最終盤”に行われました。
現在のように、候補者レース序盤にスーパーチューズデーが設定されるようになったのは1980年台のことです。
こうした選挙日を序盤に集中させる動きは、民主党の「南部」の州を中心に進められました。中道派の候補者を大統領選で勝利させたい思惑のあった南部各州の民主党が選挙日を集約させた結果、1988年には全米20州とアメリカ領サモアで予備選挙などが行われました。この日の選挙は「南部スーパーチューズデー」とも呼ばれ、現在のスーパーチューズデーの原型となります。