中国の人権派の元弁護士、唐吉田さんの娘の葬儀がきょう都内で行われました。唐さんはこれまで病気の娘を見舞おうと、何度も出国を試みましたが、最後まで中国当局に許されず、葬儀にも出席できませんでした。
きょう都内で行われたのは、中国の人権派の元弁護士、唐吉田さんの娘・正琪さん(27)の葬儀です。
正琪さんの通っていた学校の教師
「(正琪さんは)恵まれない女性たちのことを助けられる人になりたいという夢があったので、かなえて欲しかった」
正琪さんは“将来、弱い立場の人を助ける仕事をしたい”と日本に留学していましたが、結核を患い意識不明の重体となりました。
葬儀の参列者
「日本で生活し始めてわずか数年であんなことが起きてしまい、しかもお父さんが彼女に会いにも来られないということで、とても残念に思っています」
唐さんは中国で人権派弁護士として、立ち退きを強いられた市民や宗教活動を制限されたと訴える人などの弁護をしてきました。
政府批判を繰り返したためか、14年前に弁護士資格をはく奪されましたが、その後も政府に対し申し立てを行う市民たちに法律面からのアドバイスを続けてきました。
3年前、正琪さんが重体になったと知った唐さん。
人権派の元弁護士 唐吉田さん
「早く会えるといいんだけど」
何度も日本に渡航しようとしましたが、そのたびに中国当局に「国家の安全に危害を加える恐れがある」として、出国を拒まれ続けてきました。
人権派の元弁護士 唐吉田さん
「あまりにも理解出来ません。自分の子の面倒を見ることが、どうして国家の安全を害することになるのか」
警察を訪ね、出国したいと申し出るも…強引に追い返されてしまいます。
結局、面会がかなわないまま、正琪さんは先月20日、肺炎で亡くなりました。
唐さんは葬儀だけでもと、再び出国を検討したといいますが、22日を最後に連絡が途絶えてしまったといいます。
支援を続けてきた東京大学大学院の阿古智子教授は…
東京大学大学院 阿古智子 教授
「中国政府に対する批判が高まる可能性がある事案ということで、普段よりも厳しく言論を統制してるんだと思います。どうしてここまでやらなきゃいけないのかなっていうのが正直なところですね」
最愛の娘に最後まで会えず、葬儀にさえ出席できない。中国の人権派弁護士が置かれた現実です。
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