京王線府中駅からバスに乗って10分ほど、府中刑務所と書かれたレンガ造りの門が見えてくる。晴見町の停留所で降り、案内に従い敷地内へと入る。刑務官ら職員が暮らす官舎を左手に見ながら歩くと右手に高さ5.5メートルの塀が現れる。刑務所の周囲1.8キロを囲っているという。バス通りに面した門から300メートルほど歩くと府中刑務所の正面入り口に到着した。

2月22日、日本記者クラブが主催する府中刑務所視察に参加した。これまで刑事施設に行ったのは大阪拘置所での林真須美死刑囚への面会取材や和歌山の女子刑務所にごく短時間行った経験はあるが、刑務所そのものを3時間あまり、広範囲に視察するのは初めてだ。名古屋刑務所での受刑者暴行事件などがあった中で、担当者から直接いまの刑務所の現状や課題を聞く貴重な機会となった。