25日に行われた、バスケットボールのアジアカップ予選。日本代表が88年ぶりに宿敵・中国に勝利しました。体格差で劣る日本でしたが、勝利の裏には監督の徹底したある「戦略」がありました。解説です。

中国ではバスケット強化が国家的プロジェクト!? “超大型”選手が続々

良原安美キャスター:
中国との接戦を制したホーバスジャパン。主要大会での勝利というのは、1936年のベルリン五輪以来となります。約88年ぶりの、まさに歴史的勝利といえそうです。

この試合結果について、対戦相手・中国の人たちはどう受け止めたのでしょうか?

北京市民
「まるでサッカーの中国代表みたいだ」
「(負けたことは)しょうがない。若い選手たちに早く成長してほしい」

実は中国では今、卓球以上にバスケットボールが大人気で、国民的スポーツになっているということです。

中国の競技人口は卓球が約1億人なのに対して、バスケは約1億2500万人。日本国民がみんなバスケを楽しんでいる、それくらいの人口です。

さらに、コートも約105万か所(2021年末時点)、街中にもたくさんあるということで、老若男女たくさんの人が親しんでいます。

当然、プロリーグも大変人気があります。中国リーグのCBAは1995年に立ち上がりました。日本よりも長い歴史があり、元NBA選手も多数在籍しています。

さらにスポーツ視聴率(現地の観戦とテレビ視聴を合わせたもの)のランキングを見ても、人気ぶりがわかります。▼3位が卓球で7.1%▼2位がサッカーで10.4%、そして▼1位のバスケットボールは34.9%と、かなり人気があります。

ホラン千秋キャスター:
圧倒的にバスケットボールを見ている人が、他のスポーツと比べて多いということですね。

良原キャスター:
その人気の理由は「とにかく強い」というところにあります。

たとえば男子は2004年のアテネ五輪でベスト8、2008年の北京五輪でベスト8女子も成績を残しており、1992年のバルセロナ五輪で銀メダル、2008年の北京五輪でベスト8ということ。

体格もかなり大きくて、NBAオールスターに8回選ばれている姚明(ヤオ・ミン)さんは身長229センチ。さらに、女子の韓旭(ハン・シュー)選手は2023年のアジア大会で日本と対戦していますが、彼女は205センチあります。

バスケットボールアナリストの佐々木クリスさんによると、「中国ではバスケット強化は国家的プロジェクト。身長が高くなりそうな子どもを集めて育成している」ということです。

東京大学 准教授 斎藤幸平さん:
それに今回勝ったというのは、改めて考えるとすごいことですね。やはり日本もプロリーグとかができて、だいぶ実力が上がってきているんですね。