実感が伴わないワケは?記者解説

小川キャスター:
なぜ、実感が伴わないんでしょうか。

23ジャーナリスト 片山薫:
株が上がった理由を考えるとわかりやすいと思います。アメリカの株高や、企業の好決算など色んな理由がありますが、円安を考えると一番わかりやすいと思います。

まず円安は、輸出企業の利益を上げます。もう一つ、日本株は「ドル」で見ると割安に見えるので、外国人が買いやすい。一方で円安は、皆さんが感じている通り、物価高の原因。これに賃金が追いつかないんです。つまり企業から、賃金が物価に追いつくほど支払われてないというのが原因です。

小川キャスター:
今、株を持ってる方には恩恵がもたらされているという状況ですけれども、世の中的に株高の恩恵が広がっていくということは、今後あるのでしょうか?

23ジャーナリスト 片山薫:
日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員は、あまりないのではないかとおっしゃってました。それでも、公的年金は、今、半分ぐらいは株で運用されているので、年金基金に余裕が出るのではないか、としています。

ただ、株高で期待されるのは「トリクルダウン」という、富裕層から低所得者層に滴り落ちるという効果なのですが、この10年、株が上昇し続けていても、低所得層に恩恵がないので、今後もないのではないか、と藻谷さんは話しています。

ただ、だんだん賃上げも進んでいるので、今後、ちゃんと滴り落ちるようにというのは、期待したいところではあります。