■「行動制限ない夏休み」対策は?


このような状況の中で大阪大学医学部・忽那賢志教授にお話を伺いました。


行動制限のない夏休みですが、移動そのものの感染リスクは高くありません。旅行先・帰省先での感染対策を徹底することが重要です。これも2年半以上言われていることではありますが、高齢者や重症化リスクの高い人を守るということが最優先されます。

具体的には「大人数」での会食は感染リスクが高いです。そのため
・マスクを外す時間を少なくする
・あまり長い時間にならないように配慮する
・大声を出さない
などの対策が挙げられます。

他にも、高齢者や基礎疾患のある人と接触する場合は注意が必要です。まずは高齢者を守る、その上で「ワクチン接種を済ませているか」を確認することは大切になります。また4回目の接種を進めることも重要です。

もちろん「ワクチンを打たない」という選択をする方もいらっしゃいます。そのような場合、高齢者などに会う前にできることとして、自分で検査を行ってみて陰性を確認することが挙げられます。このように安全な状況の下で帰省先で面会するということが重要なようです。

ホランキャスター:
今までやってきた対策を引き続きしっかりと徹底するということが重要になってきそうですね。

寺嶋医師:
基本的な感染対策として入院者数を増やさないという意味では、例えば高齢者に会う1週間前はあまり人混みに出たりしないということや直前に検査をするなど、そういったことでできるだけ高齢者にうつさないようにということが大事かなと思います。

ホランキャスター:
ただ「新型コロナウイルスとの付き合い方を自分は心得た」という方もいれば、「いややっぱり未だに怖いし心配です」という方もいますので、皆さん一人一人の気持ちを尊重できるような仕組みが社会にあってほしいですよね。

「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
そうですね。今もうすごく暑くなってきていて、冷房が効いているからこそ換気しなくなったりという夏特有の事情もあると思 うので、改めてちゃんと換気をする、マスクをするなど、当たり前のところですけれども改めて意識し直すだけでもちょっと変わるかなと思います。

井上キャスター:
重症化リスクと共に社会全体が止まってしまうリスクが大変高くなっていますが、その点に関するルールなどについてどうご覧になっていますか。

寺嶋医師:
例えば2類から5類っていうことに関して言うと、まだまだ高齢者はインフルエンザの3倍ほど重症化率や致死率が高いです。しかし、高齢者施設や医療機関でも感染してもその事実を受け止めるっていう国民の認識であったり、行政が語りかけを行うということであれば、そのような動きも出てきていいのかなと思います。

■ワクチン接種済みの20代も肺炎に…医療機関の現状は?


井上キャスター:
次にそれぞれの医療機関の現状です。まず、ふじみの救急病院についてです。入院患者の約3分の2が肺炎で、中には酸素マスクが必要な方もいらっしゃるというのが現状です。インターパーク倉持呼吸器内科では、ワクチン接種済み(3ヶ月以上経過)で基礎疾患がない20代の人でも肺炎になる人が出てきたということです。

ホランキャスター:
オミクロン株になってより風邪のような症状に近づいたのではないかと感じる方も増えたと思うんですけれども、やはり今までと変わらず年代関係なく、若くても重症化する方もいますので油断しないということが大切ですね。

寺嶋医師:
そうですね。若い人でも中には重症化する人や後遺症で長いこと日常生活に支障をきたす方がいますから、そういう意味ではどの世代の方も感染しないっていうことが一番かと思います。