激しい痛み、原因は不明

この「群発頭痛」、いったいどんな病気なのでしょうか。

かく脳神経外科クリニック・郭泰植院長

「群発頭痛は非常に激しい痛み、目の奥から前頭部、側頭部にかけて激しい痛みを伴います」

その痛みを表現すると…。

郭院長
「偏頭痛とかの場合は痛みで動けなくなるって表現される方が多いんですけど、群発頭痛の方はむしろじっとできないくらい、のたうち回るような痛みということですね。痛くて頭を何かにぶつけて、その痛みをまぎらわせたいくらいとおっしゃる方もいらっしゃいます」

深夜から早朝にかけて数分から数時間、痛みが続く。こうした症状が数週間から数か月間続きます。1度だけで、症状が出なくなる人もいれば、年に1回程度の人、数年に1回の人など、頻度もさまざまです。原因は分かっておらず、完治させる治療法も確立されていません。

郭院長

「注射薬を使用したり、酸素吸入をすることが有効だと言われています。頭痛がくる時期だけ、毎日内服薬を服用して、頭痛が来ないようにする、そういう治療をやられる方もいらっしゃいます」

郭医師によると、女性よりも3倍から7倍、男性に多く、20代から40代で発症するケースが多くあります。患者は、1000人に4人程度とされます。

郭院長
「1、2時間の頭痛ではあるんですけど、それ以外の時間帯もやはりなんとなく頭が重たい感じがあるとか、必ずしもそれ以外のときはすっきりしているわけではない方が多いんですね。あとは頭痛が来るという不安感とか。非常につらい思いをされている方もいらっしゃると思いますね」

日常生活にも影響、進路選択に後悔

日常生活に大きな影響を与える病気です。田中さんが発症した高校3年生といえば進路選択などの大切な時期です。症状から、何も考えられない日が続き、納得のいく選択ができなかったと後悔していました。大好きだった「祖父の死」も沈んだ心に追い打ちをかけました。

田中さん
「生まれたときからずっと一緒に住んでいたので、2人目のお父さんというか、ずっと家でお世話とかもしてくれたり」

しかし、葬儀に出ることもできませんでした。

田中さん
「なんだろう、ふがいないというか、自分は何で生きているんだろう。下がりに下がり続けていて、もう生きてても意味ないんじゃないかなみたいな」

ある作品との出会いで心に変化

そんなとき、沈みきった田中さんの心を救ってくれたのが、ある作品でした。