安倍元総理の銃撃事件をめぐって「政治と宗教」の繋がりに注目が集まっています。政界に幅広い人脈がある政治ジャーナリストの後藤謙次さんが、宗教団体と政治家個人がつながる背景などについて解説しました。また、今秋に開催される「国葬」は、岸田総理の「即決だった」といいます。背景にどんな思惑があるのでしょうか?
岸信介元総理から始まった「安倍派」と「旧統一教会」との脈々とした人的繋がり

ーー山上徹也容疑者は母親が多額の献金をしていた宗教団体「旧統一教会」への恨みを募らせ、「安倍元総理と繋がりがあると思い犯行に及んだ」などと供述しています。ここで出てくるのがこの「宗教」と「政治」についてです。まず、自民党としては、宗教と接触はしないが、個人間では接触があったということですが、その点は具体的にはどんなことでしょうか?
「憲法20条で政教分離の原則がありますね。国家は宗教団体に対して中立で無色であると。その一方で宗教団体は自らの宗教的な目的を達成するために国家権力は使わないと。そこは非常に明確な区切りがあるんですが、いざ選挙となると、宗教団体と政治家・個人は非常にある面で相性が良いといいますか、持ちつ持たれつの関係になるんですね。その点で、旧統一教会の団体とですね、岸信介元総理の関係から始まった安倍派には、その脈々とした人的な繋がり、あるいは親和性みたいのがあったということは以前から永田町では知られた事実でありました」