アメリカ政府が世界の信教の自由についての年次報告書を発表し、中国の新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド」が続いていると指摘したことについて、中国政府は「断じて受け入れられない」と強く反発しています。

アメリカ国務省は15日、世界の信教の自由についての年次報告書を発表しました。

その中で、「中国の新疆ウイグル自治区では2017年以降、テロ対策の名のもとに100万人以上が拘束されたり、収容所に送られている」と指摘、出産制限を行うなど民族に対する「ジェノサイド」が続いているとしています。

これに対し、中国政府は強く反発しています。

中国外務省 汪文斌報道官
「アメリカ側の発言は基本的事実を顧みずに、中国の民族と宗教政策を中傷し、イデオロギーの偏見に満ちたもので、最低のレベルもなく、でたらめだ。中国はこれを断じて受け入れることなく、断固反対する」

また、汪報道官は「中国では、国民の信教の自由が守られている」として、「新疆ウイグル自治区だけでも2万4000か所以上のモスクが存在する」と主張しました。

そのうえで、「中国を抑圧するための口実にすぎない」として、「人権や宗教などの問題を利用して中国の内政に干渉することをやめるべきだ」と批判しています。