政府は、日銀の次の総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事を固めましたが、黒田総裁との違いが意識され、日経平均株価が一時400円以上下落する場面もありました。

都内の証券会社ではけさ、新総裁人事に関する顧客からの問い合わせが相次ぎました。

「日銀総裁(候補)が雨宮さんから急遽、植田さんという経済学者にかわりました。性格を聞いてみると、思ったほどハト派(金融緩和派)じゃない」

思ったほどハト派じゃない。つまり、株価にはマイナス材料ではとの見方も広がりました。

元日銀審議委員 植田和男氏
「現在の日本銀行の政策は適切であると考えている。現状では金融緩和の継続が必要である」

この発言に急速な政策変更はないとの観測も広がりました。ただ、過去の発言や著書などから黒田総裁の異次元緩和にはすべて賛同しているわけではないとの見方も…

岩井コスモ証券 投資情報センター長 林卓郎さん
「いずれは、黒田路線からの脱却をゆっくり目指すという可能性が高いので、政策の修正も多少は意識されている」

アメリカで長期金利があがったことも影響し、日経平均株価は一時400円以上下落。結局2万7427円で取引を終えました。

植田氏は、今月24日にも国会で初めての学者出身の日銀総裁候補として考えを話す予定です。