東日本大震災で津波による甚大な被害を受けた東北の沿岸地域について、防潮堤などの設置は進んでいるものの、自治体による津波の避難対象地域の指定などが遅れていることがわかりました。

会計検査院の調査によりますと、東北3県の沿岸に造られた防潮堤は444地点にのぼり、おととし3月の時点で計画されたうちの76.1%がすでに完成しています。

沿岸の31市町村すべてで津波避難計画は策定されていますが、避難対象地域の指定が7つの市や町で、避難困難地域の設定が10の市や町で行われていないことがわかりました。

また、震災後に別の地域に避難している人の数が国の統計と実態とで大きく違っていたり、住民の帰還が進まないために、その人たちが入る予定で整備された災害公営住宅や幼稚園・学校などが使われないケースがあることなども指摘されました。

会計検査院はこうした調査結果をもとに、国に対し、復興に関する事業を今後も着実に実行するため、必要な支援や助言を自治体に行うよう求めています。