(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は、AIで将来の生産性が向上しても、短期的な物価上昇圧力を相殺するには不十分となる可能性があり、この傾向が経済全体のインフレを押し上げる恐れがあると警告した。
クック理事は28日、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した利上げは、高止まりするインフレに対処するために必要だったと述べ、今後の対応は経済データに基づいて判断されるとした。
クック理事はカリフォルニア州オークランドで開かれるイベントで講演。「現時点では、生産性の向上が今後数年間で緩やかなディスインフレをもたらすと予想している」と述べた。「しかし年末にかけて広がるインフレ圧力を相殺するには、その効果は間に合わないと考えている」と語った。発言内容は事前に準備された原稿に基づく。

データセンターへの巨額投資によってエネルギーや建設労働力といった限られた資源を巡る競争がすでに激化しており、過去1年間で電気・水道料金が約5%上昇したことにも表れていると、クック理事は指摘した。企業が投資を表明した2兆ドルの資本のうち、まだごく一部しか支出していないことに加え、AIを原動力とする株価上昇が個人消費を押し上げていることから、より広範な物価上昇圧力が顕在化する可能性があると警告した。
AIが「われわれの生涯で最も重要な技術革新となりつつある」と述べた一方、この技術が経済全体の生産性をどの程度の速さで押し上げるかについては、不透明感があると警告した。「このメカニズムがどのように、そしていつ作用するのかについては、あらゆる推計に不確実性が伴っており、さらなる研究と議論が必要だ」と述べた。
原題:Fed’s Cook Says AI Gains Won’t Offset Near-Term Inflation (1)(抜粋)
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