今週発表される米国の主要経済指標は、景気の底堅さをさらに裏付ける内容となる見通しで、金利をさらに引き上げるべきだとする一部の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の主張を後押ししそうだ。

8月の小売売上高が大幅な伸びを示し、9月の企業活動も5年余りで最も速いペースで拡大したことなどを背景に、早ければ10月にも利上げが実施されるとの観測が強まっている。

こうした成長面での好材料には痛みも伴う。インフレ率は依然としてFRBの2%目標を上回っており、追加利上げを実施するようFRBへの圧力は強まっている。そうなれば、家計や企業は一段の負担を強いられる。FRBは今月、3年ぶりに利上げに踏み切ったばかりだ。さらに状況を複雑にしているのが、FRBの次回政策決定が中間選挙のわずか数日前に予定されていることだ。

今週公表される経済指標が、その議論の行方を左右する可能性がある。

30日発表の8月の個人消費支出(PCE)統計で、インフレ調整後のPCEは今年最大の伸びを示すと予想されている。また、FRBが重視する基調的なインフレ指標は算出方法の見直しにより、前年同月比の伸び率は最大0.3ポイント押し下げられる見通しだが、前月比ではそれほど安心できる内容ではなさそうだ。

食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比0.3%上昇と、過去2カ月と比べて伸び加速が見込まれている。

10月2日に発表される9月の雇用統計では、雇用者数の伸びが引き続き堅調なことが示される見通し。26日時点のエコノミスト予想では、雇用者数は約9万人増加。失業率は4.1%で横ばいとなる見込みだ。

JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、企業の人員採用が最近のペースで続けば、金利が緩やかに上昇するとの見通しが変わる可能性があると指摘した。

「ここ数年のインフレは供給ショックが要因だったと思われるが、労働市場が逼迫し、賃金の伸びが加速すれば、成長面での好材料が多過ぎるのではないかと考え始めるかもしれない」と述べた。

歴史的なAIブームが建設業や製造業を押し上げており、イラン戦争に伴う原油価格の急騰にもかかわらず、企業や家計は支出を続けている。

FRBによる年内少なくともあと1回の利上げを投資家が織り込む中、債券利回りも政策当局者が考慮すべき要因となっている。

USバンクのチーフエコノミスト、ベス・アン・ボビノ氏は「足元で見られるインフレの一因は、経済が非常に強いことだ」と指摘。「追加利上げの可能性はかなり現実味を帯びつつある」と話した。

先週末時点のフェデラルファンド(FF)金利先物の織り込みでは、10月の利上げ確率は約65%。

 「慎重になる必要」

もっとも、経済のあらゆる分野が好調なわけではない。AIブームへの過度な依存が今後、弱点となる可能性もある。

フィラデルフィア連銀の前総裁で、現在はペンシルベニア大学ウォートン校ディスティングイッシュト・プロフェッサーのパトリック・ハーカー氏は、借り入れコストの上昇によって経済に潜む脆弱(ぜいじゃく)性が表面化し、とりわけ余裕のない家計に影響が及ぶと警告した。

「慎重になる必要がある」とハーカー氏は指摘。経済は「データセンターの建設と、それに伴う電力網の整備という非常に大きな1つのエンジンで動いている。その他の経済は惰性で進んでいるようで、実際にはそれほど活発ではない」と語った。

原題:Key US Data This Week Seen Bolstering Case for October Rate Hike(抜粋)

--取材協力:Vince Golle、Reade Pickert.

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