米民主党の進歩派下院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス氏の政策提言は、おなじみのものだった。全ての人への医療保障の確立、移民税関捜査局(ICE)の廃止、データセンターの禁止だ。

しかし今回の集会がニューヨーク州北部のリベラルな町、名門コーネル大学のあるイサカで開かれたことは、オカシオコルテス議員の新たな政治的野心が動き始めていることをうかがわせた。

AOCの略称で知られるオカシオコルテス議員は27日夜、イサカで1000人を超える聴衆を前に「労働者階級の米国人に階級戦争を仕掛けている富裕エリート」を批判した。「学生とビリオネアの対決」と題されたこの集会は、上院またはホワイトハウスへの2028年出馬を検討するオカシオコルテス議員が、今後より大きな舞台で訴えていくであろうメッセージを披露する場となった。

Photographer: Hadriana Lowenkron/Bloomberg

36歳のオカシオコルテス議員は、若者の関心を集めている生活費や経済問題を軸に、全米レベルでの知名度を築いてきた。ただしオンラインでの人気と、大統領選や現職上院議員への挑戦は別物だ。進歩派から強い支持を受ける一方、警察予算の削減など、新型コロナ禍当時の進歩派運動と結び付いた一部の過激な主張から距離を置こうとしている。

同議員は8月、ABCニュースとのインタビューで、過去の発言や政策から距離を置こうとする進歩派候補について語る中で、友人の発言として「最初のウォークはクレイジーだった」と言及している。本来は社会的不公正に対する高い意識を意味した「ウォーク(目覚め)」は、保守派によるリベラル批判の文脈でよく使われる。

同議員は2018年の初当選以来、進歩派議員グループ「スクワッド(分隊)」の一員という初期のイメージを超え、独自の影響力を拡大し、議会での協調をアピールしながら民主党最大級の資金調達組織を築いた。2025年以降の調達額は3200万ドル(約50億3000万円)を超え、今年の中間選挙を前に民主党のニューヨーク支部に30万ドルを寄付した。

大統領選と上院選

ニューヨーク州北部を回る活動は、民主党のシューマー上院院内総務(75)への挑戦を見据えたものだとの憶測にもつながっている。オカシオコルテス議員自身もニューヨーク・タイムズに対し、上院選と大統領選のいずれへの出馬もあり得ると語っている。

27日の集会では、コーネル大学が「表現活動」方針と呼ぶ規則を批判した。この方針は抗議活動など大学構内での言論を制限していると、反対派は主張している。また、2年前に学生が申し立て、最近提起された訴訟で再び注目を集めているレイプ疑惑についても、大学側の対応を非難した。

同議員は盛大な拍手を受けながら「レイプ、性的暴行、小児性愛の文化は、コーネル大学を含む全米のエリート機関で守られている」と述べた。また、自分がボストン大学の学生だった時に不適切に体を触られた経験についても語った。

同議員は5月、トランプ氏が圧勝したジョージア州モーガン郡を訪れ、データセンターが周辺地域の水資源に及ぼす影響を調査した。

27日の集会ではこの問題を再び取り上げ、データセンターとAIの拡大を批判し、規制強化を求めた。

オカシオコルテス議員はニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、自身が出馬した場合の勝算と民主党の現状を見極めようとしていると述べた。過去の大統領選でカマラ・ハリス氏とヒラリー・クリントン氏が敗北したことを踏まえ、ラティーナ(中南米系)の女性が直面する政治的現実も考慮していると述べた。

「現在の政権が非常に逆行的であるという事実を、私は甘く見ていない」と同議員は述べた。

同議員の高い知名度は同時に、共和党が民主党候補を攻撃する材料にもなっている。共和党系スーパーPAC(政治活動委員会)はニューヨーク州で展開した選挙広告で、オカシオコルテス議員を民主党候補と結び付けて批判した。イーロン・マスク氏のスーパーPACもオカシオコルテス議員をバーニー・サンダース上院議員らと並べたビラを配布した。

しかしイサカに集まった支持者にとっては、そうした注目を集める力そのものが、オカシオコルテス議員の魅力の一つとなっている。

27日の集会でボランティアを務めたニューヨーク州コーニング在住のライズ・ピーコックさん(34)は「結局は、ふさわしい運動の後押しを得られるかどうかだ。私は、その機運はあると思う」と語る。「みんな、これまでとは違うこと、新しいことを聞きたがっている」と話した。

原題:AOC Pitches Class War Message After Conceding ‘Woke 1 Was Crazy’(抜粋)

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