(ブルームバーグ):オーストラリアのヘッジファンド運用者ラファエル・ラム氏は、金相場の上昇基調を支える要因はなお健在だとして、最近の下落は一時的とみている。ラム氏が運用する金のロング・ショートファンドは昨年の設定以来、200%超のリターンを上げている。
運用資産15億豪ドル(約1700億円)規模の「L1ゴールド・ファンド」をマーク・ランドー氏と共同で運用するラム氏は、40兆ドル(約6347兆円)を超える米政府債務など「主要市場の財政状況の持続困難さ」や中央銀行による金への資産配分拡大が、中長期的に金相場を支えると述べた。短期的には米国とイランの戦争の展開、実質金利、インフレ指標が相場を左右するとの見方を示した。
金相場は1月に最高値を付けて以降、下押し圧力を受けている。エネルギー価格の急上昇や 米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が、利息を生まない金の重しとなっている。2月下旬に米イランの戦争が始まって以降、約16%下落した。
ラム氏はインタビューで「イラン戦争以降、金市場と金価格には逆風が吹いているが、ごく一時的なものだとみている」と述べた。「金需要を左右する要因の多くは中期的に維持されるか、むしろ強まるだろう」
金現物はシドニー時間24日夜時点で1オンス=4286.01ドルで取引された。

ラム氏のファンドは金関連株のロングポジション(買い持ち)と、ヘッジ目的での金先物のショートポジション(売り持ち)を組み合わせている。広報担当者によると、昨年2月の設定から8月までのリターンは235%に達した。この間、上場投資信託(ETF)ヴァンエック・ゴールド・マイナーズETFと金現物の上昇率は約148%、55%だった。
メルボルン拠点のL1グループ傘下にあるL1ゴールド・ファンドは、金相場の下落局面で金関連株の買い持ちを積み増している。ラム氏によると、保有銘柄の大半は時価総額50億ドル以上の企業だ。下振れリスクに備え、割高と判断する銘柄や、事業面で逆風に直面したりしている一部の金関連株は売り持ちにしている。
ラム氏は「金価格が4000ドルを割り込んだ段階で買い持ちを積極的に増やし始めた。現在は差し引きで60%台前半-半ばの買い持ちを維持している」と述べた。金価格がさらに上昇するとの見通しが実現した場合に限り、買い持ちの縮小を検討するという。

L1ゴールド・ファンドの銘柄選別では、金鉱山開発会社のうち、バリュエーションが低く、短期的にキャッシュフローが見込める企業を重視する。最大の保有銘柄はカナダの金鉱山会社エルドラド・ゴールド。同ファンドはパプアニューギニアでカイナントゥ金鉱山を運営するK92マイニングの筆頭株主でもある。
鉱業界の再編もファンドの運用成績を押し上げており、ラム氏は金業界で企業の合併・買収(M&A)がさらに増えるとみている。8月の投資家向け資料によると、オセアナゴールドによる豪鉱山会社オースゴールドの1株1.36豪ドルでの買収は、ファンドに大きな利益をもたらす見通しだ。ファンドは1株約0.50豪ドルでオースゴールド株を組み入れていた。
ラム氏は「M&Aによる投資収益に大いに期待している」と述べた。「投資先の開発会社の多くは、中堅・大手企業にとって極めて魅力的な買収候補になるとみている」と語った。
原題:Hedge Fund With 235% Return Says Gold Price Decline Is Temporary(抜粋)
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