(ブルームバーグ):24日の債券市場では幅広い年限が売られ、長期金利(新発10年国債利回り)は前営業日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い3.075%に上昇し、1996年以来の高水準を更新した。シルバーウイーク中に米長期金利が上昇したことを受け、国債が売られた。
10年債のほか、20年債と5年債の利回りもそれぞれ3.92%、2.375%と10bp上昇した。
米10年国債利回りは23日、一時17bp上昇して5.13%と2007年以来の高水準となった。S&Pグローバルが発表した9月の米総合購買担当者指数(PMI、速報値)が市場予想を上回ったほか、5年債入札の需要も弱く、大半の年限で利回りが約20年ぶりの高水準に上昇した。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「PMIが強く米欧の景気が再加速している可能性があり、グローバルに利上げペースの加速が意識されている」と語る。仮に米欧が10月に連続利上げに踏み切る場合、「日本銀行だけ現状維持なら円安が進み、インフレが加速するリスクがある」と指摘。日銀の植田和男総裁も「政策の局面変化」に言及しており、「2会合連続で利上げがあってもおかしくない」と語る。
スワップ市場が織り込む10月の米利上げ確率が7割に達する一方で、日銀の同月の利上げ確率は3割弱にとどまっている。
米国とイランの対立再燃で原油価格が高止まりしていることもあって、インフレ懸念を背景とした利上げ観測が高まり、世界的に債券売りが広がっている。各国政府の多額の借り入れも引き続き金利上昇圧力だ。24日のアジア債券市場では、オーストラリアの10年国債利回りも10bp以上上げた。

植田総裁は18日の金融政策決定会合後の会見で、金融政策運営について「政策の局面が変化した」と発言。今後の利上げペースや幅も柔軟に対応するとし、利上げ継続に前向きなタカ派姿勢を示した一方、市場に不測の事態を発生させるような大幅な利上げを避けるよう政策運営を行っているとも語った。
BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは「植田総裁の会見が市場の期待ほどタカ派ではなく、インフレ抑制の本気度が疑われている」と指摘。高市政権下で任命された2人の審議委員が利上げに反対し、「高市政権が利上げに消極的との思惑が根強い上、財政拡張的な姿勢も変わっておらず、投資家が買い控えている」との見方を示す。
同日の会合では、政策金利を0.25ポイント引き上げ、1.25%程度にすることを賛成7・反対2で決めた。
日本固有の要因も金利上昇に拍車をかけている。高市早苗首相が日本経済の構造転換を目指して大規模な歳出計画を打ち出す中、各省庁による来年度予算の概算要求額は過去最大となった。政府が防衛費を国内総生産(GDP)比3.5%に増額する新たな中期目標の設定を検討していることも明らかになっており、財政悪化への懸念は強い。
(2段落に相場動向、4段落以降に市場関係者の見解などを追記)
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