不動産調査会社の東京カンテイは24日、8月の東京都内の中古マンション平均価格が2年4カ月ぶりに前月を下回ったと発表した。都心に加え、都心周辺エリアでも価格下落の動きが広がったことが響いた。

同社が公表した三大都市圏・主要都市別中古マンション価格推移によると、東京都の平均価格は前月比0.2%下落の1億1274万円(70平方メートル換算)で28カ月ぶりのマイナスとなった。都心6区(港、千代田など)の平均価格は前月比0.7%下落の1億8068万円で4カ月連続のマイナスとなった。

都内の中古マンション市況を巡る環境は厳しさを増している。日本銀行の利上げに伴う住宅ローン金利上昇への警戒感から、実需層の購入意欲が冷え込んでいる。金融庁も「2026事務年度金融行政方針」で、金融機関に対して不動産融資への監視を強化すると打ち出している。値上がり益を狙う国内外の投資家がけん引してきた都内の中古マンション価格は、ピークアウトした可能性が高い。

8月は価格下落に転じたエリアが、都心からその周辺エリアに拡大している。城南・城西6区(品川・世田谷など)は30カ月連続で上昇したが、同0.2%高の1億891万円で上昇幅が鈍化。品川、中野、杉並の3区は前月比で下落に転じた。

東京カンテイの高橋雅之上席主任研究員は「強気な価格提示をした都心の物件に対する価格調整は、年末にかけて続く見込みだ。都心だけでなく周辺エリアでも同様の動きが続く」との見通しを示した。

金利上昇やインフレの動向、不動産の短期売買に対する政府の政策によっては、今後さらに価格が下落する可能性も示唆した。需給面では、都心6区で在庫がさらに積み上がり過去最高水準の状態が続いており、価格が反転する兆しはまだ見えないという。

城北・城東11区(台東・江東など)は18カ月連続の上昇で同0.5%高の8541万円だったが、こちらも上昇率は鈍化した。練馬、台東、江東、荒川の4区が前月比マイナスとなった。

中古マンションの価格は需給を反映しやすく、新築に比べて価格動向の変化がいち早く現れる傾向がある。東京カンテイのデータは、今後の不動産市況を占う上で重要な指標として位置付けられている。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.