世界最大の資産運用会社ブラックロックは、総額3000億ドル(47兆5000億円)規模のモデル・ポートフォリオ群でポジションを組み替える中で、AIに対する強気の見方を維持しつつ、株式への投資対象を広げている。

ブルームバーグが確認した投資見通しによると、米国では大型株に資金を振り向ける一方、AI関連の投資の一部を、業界の先駆的企業から、AIの恩恵を受ける、またはAIを導入する企業へと移している。地域配分では、米国、先進国、新興国市場への地域別の投資配分の偏りを縮小させている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、今回の組み替えに伴い、ブラックロックのさまざまな上場投資信託(ETF)に数十億ドル規模の資金が流入している。「iシェアーズ・ラージキャップ・コア・アクティブETF」には、今週これまでに約20億ドルが流入し、3月以来の高水準となった。一方、「iシェアーズ・インターナショナル・カントリー・ローテーション・アクティブETF」には40億ドル余りが流入した。

ブラックロックのターゲット・アロケーションETFモデル・ポートフォリオ群の主任ポートフォリオマネジャー、マイケル・ゲーツ氏は「株式を1%オーバーウエートとする配分を維持し、最も確信度の高い方向性に関する見方も維持している。今年特に好調だった銘柄の一部は、ポートフォリオに占める比率が高まった一方、アクティブリスクも増大している」としている。

人気の戦略

投資助言会社向けに複数のファンドを組み合わせ、既成の運用戦略として提供する「モデル・ポートフォリオ」について、ブラックロックがどのように配分を組み替えているかが垣間見えた。モデル・ポートフォリオの人気は近年急速に高まっている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は、モデル・ポートフォリオに現在は数兆ドルが投じられていると推計している。ブラックロックのモデル・ポートフォリオの運用資産は3000億ドルを超え、昨年の1500億ドルから倍増した。

政策を巡る環境はより複雑になり、根強いインフレは経済見通しの重しとなっている。ゲーツ氏は、こうした環境では、想定以上にリスクが高まったエクスポージャーを減らしながら「投資を継続することが適切な姿勢だ」との考えを示した。

海外市場での変更により、以前ほどは地域ごとに大きく偏るポジションを取らなくなり、市場間の配分の差を縮小している。ゲーツ氏は「最近の企業利益予想の修正により、米国を多めに配分する根拠となっていた優位性は縮小した。同時に、国ごとのばらつきは拡大しており、国別の配分を入れ替える戦略にとって、より魅力的な機会が生まれている」と指摘した。

変更は株式以外にも及んでいる。ブラックロックは債券のデュレーションを基準よりやや短めにする姿勢を維持し、クレジットへの投資を減らす一方、中核的な債券と世界の国債への配分を増やしている。債券の比率が高いポートフォリオでは、アクティブ運用のモーゲージ債、転換社債(CB)、流動性の高いオルタナティブ資産への配分も選別的に増やしている。

原題:BlackRock Broadens AI Bet in Latest Model-Portfolio Shakeup(抜粋)

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