(ブルームバーグ):2027年のインフレ率は世界各地で予想を上回る見通しで、米国やオーストラリアなどで一段の金融引き締めが必要になるだろうと、経済協力開発機構(OECD)が予測した。
OECDは23日に発表した報告書で、中国とサウジアラビアを除く全ての20カ国・地域(G20)のインフレ率見通しについて6月の予測から引き上げ、これに金融政策で対応せざるを得なくなる可能性があると指摘した。
「エネルギー価格の新たなショックや予想以上に強い需要圧力を受け、インフレ率はすでに多くの国・地域で目標値を上回っている。基調的なインフレ圧力を持続的に抑えることが、中央銀行には求められる」とOECDは論じた。
この分析は、トランプ米大統領が引き起こした中東での戦争による経済的影響が、同氏の任期後半まで続く見通しとなったことを浮き彫りにする。
今月は既に、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行が相次ぎ利上げを決定した。OECD当局者はこうした引き締めが今後もあるだろうと見込む一方で、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻開始直後に見られたほどの積極的な政策対応には至らないとの見方を示した。
OECDは米国で年内にあと1回の利上げを予想し、ユーロ圏とオーストラリア、韓国について「さらに緩やかな利上げ」、日本は「追加利上げ」があると見込んだ。
対照的に、イングランド銀行(英中央銀行)カナダ銀行は当面、金利を据え置くだろうとみている。
この見解は、市場の見方とやや食い違う。短期金融市場では、米国とユーロ圏、英国とも年内に1回の利上げが完全に織り込まれ、2回目の確率が50%前後とされている。日銀については年内1回の追加利上げにとどまり、カナダ銀行も年内1回の利上げがあるとの見方が有力だ。
OECDによると、世界経済の成長軌道は6月時点から概ね変わっていない。予測の小幅な修正が大半を占める中で、米国との貿易戦争に見舞われたカナダと、政治的に不安定となる時期が迫るフランスの見通し引き下げが目立った。
OECDは「世界経済の見通しは、中東の戦争に対する持続的な解決策が成立するかどうかに引き続き大きく左右される」と指摘。「関税や輸出規制など通商政策の変更が続き、政策面の不確実性を高めるとともに、供給の混乱に寄与している」との見解を示した。
原題:Global Inflation Will Linger and Fed Will Hike Again, OECD Says(抜粋)
--取材協力:James Hirai.
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