日本株は5連休明けとなる24日の取引で上昇して始まる見通しだ。世界的なAI関連株の上昇再開に加え、円安や原油価格の下落も追い風となりそうだ。一方、債券市場では金融政策を巡る不透明感を背景に、売り圧力が強まる可能性がある。

シルバーウイーク中に日経平均先物は上昇し、23日午後5時30分時点で大阪取引所の日経平均先物12月限は6万6760円で推移。18日の日経平均株価の終値を約2.6%上回る水準となっている。円は1ドル=157円80銭前後と約3週間ぶりの安値圏。18日の日銀の利上げ後、当局がレートチェックを実施したと報じられる中で一時上昇したものの、その後は上げを失った。

東京市場では、米国で再び勢いを増すハイテク株高を織り込む展開となりそうだ。メタ・プラットフォームズの新AIエージェント「Muse(ミューズ)」の人気をきっかけにAI関連株への強気な見方が再燃し、ナスダック100指数は今週に入り3%以上上昇しており、22日には最高値を更新した。韓国総合株価指数(KOSPI)も23日、0.9%高となり、SKハイニックスやサムスン電子など半導体関連株が上昇した。これは日本の半導体製造装置株にも買いが波及する可能性がある。

円安も輸出関連株にとって追い風となるほか、原油価格の下落基調も市場全体の投資家心理を支えそうだ。原油価格は、サウジアラビアによる主要パイプラインの再稼働への期待や、米国とイランの和平協議が進展するとの観測を受けて、1年余りで最も長い続落となりそうだ。

バンテージ・グローバル・プライムのマーケットアナリスト、ヘベ・チェン氏は「世界的なAI株高の再燃、リスクセンチメントの緩やかな改善、原油安を背景に、日本株には出遅れを取り戻す余地がある」と指摘。一方、円安は輸出株を短期的に押し上げる可能性があるものの、政府・当局による為替介入への警戒が投資家の慎重姿勢につながると同氏はみる。

シンガポール拠点のiファスト・フィナンシャルのシニアリサーチアナリスト、フ・ユウ氏は、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株が24日の上昇をけん引する可能性があると予想。半導体パッケージ基板を手掛けるイビデンや、NAND型フラッシュメモリー大手のキオクシアホールディングスにも上昇を見込む。

投資家は、今後の利上げ姿勢をめぐり不透明感を残した18日の植田和男日銀総裁の発言も消化することになる。政策金利を1.25%に引き上げる決定には政策委員2人が反対しており、日銀が今後利上げペースを速めるかどうかについて不確実性が残る。

ユウ氏は、追加利上げの可能性が短期国債の重しになるとみる。「日銀の利上げによって短期金利の下限が切り上がったため、ファンダメンタルズ面では短期ゾーンの国債価格にマイナスだ」と述べた。一方、今後の利上げに慎重な日銀の姿勢は株式市場には好材料になり得るという。

長期国債をめぐる構図はより複雑だ。円安によるインフレ圧力、高市早苗政権の財政支出、世界的な債券利回りの上昇が先行きの不透明感を強めている。新発10年国債利回りは18日の取引終了時点で3%をわずかに下回る水準だった。

日本市場の目先の方向性は、為替相場の動きに大きく左右されそうだ。チェン氏は、現在の円相場の水準では為替介入への警戒が続くと指摘する。

円安がさらに進めば、インフレ懸念や日銀の追加利上げ観測が強まり、債券市場の重しとなる可能性があると同氏は述べた。「当初は株式市場の追い風となる要因が、債券市場には新たな圧力となり得る」と話した。

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