巨額の投資家資金を消失させた株式ファンドの破綻を捜査しているトルコ当局は、渦中にある証券会社の創業者を逮捕した。

トルコのNTVが報じたところによると、同国投資会社テラ・ヤティリム・メンクル・デエルエルのエムレ・テズメン会長および同社取締役会メンバーのケレム・アルキン、エムレ・アルキン両氏、別の企業幹部1人を当局が23日朝方にそれぞれ逮捕した。テズメン氏は19日から身柄を拘束されていた。

ケレム・アルキン氏はトルコ外務省を昨年退職したばかりで、2021-24年にはトルコの経済協力開発機構(OECD)常駐代表を務めた。同氏の弟であるエムレ氏は著名なエコノミストで、全国放送のテレビ局に定期的に出演するなどコメンテーターとしても活動していた。

NTVによると、テラと並び混乱の震源地となっているプスラ・フィナンス・ホールディングのセルダル・トゥルハン会長も同じ捜査の一環で逮捕された。

当局はこれまでに複数の金融会社の幹部に関連する資産を凍結し、その幹部の一部およびその配偶者、近親者について、資産を減らすような取引に制限を課したと、国営アナドル通信は報道。資産の国外移転の有無を見極めるため、2024年以降の国外送金と暗号資産に関するデータも要請したという。

「ねずみ講」

問題のファンドは浮動株が少なく株価をつり上げやすい銘柄に集中投資して好パフォーマンスであるかのように見せかけ、数十万人に上る個人投資家の資金を引きつけていた。だが、投資先の銘柄は流動性に乏しいため、集中的な解約請求に応じられず行き詰まった。

このファンドの取引を検証した金融専門家によると、保有株を担保に短期資金を借り入れ、同じ銘柄に再び投資しているケースもあった。トルコの法相はこの手法を「ねずみ講詐欺のようなもの」と断じた。

23日の取引では、トルコ株の代表的な指標であるイスタンブール100指数は一時1%上昇。より幅広い全株指数はほぼ横ばいで推移しているが、テラを含む40以上の銘柄は依然として値幅制限いっぱいの10%安に沈んでいる。

テラは今回のスキャンダルの中心的存在だ。かつてはほとんど知られていなかった証券仲介・資産運用会社だったが、上場からわずか4年後のピーク時に株価は400倍に急騰。だが、今月16日には、大規模な資金流出で一部の解約請求を履行できないと発表し、投資家の間にパニックを引き起こした。

テラの広報担当者はコメントの要請に直ちには応じなかった。今年に入り行われたブルームバーグニュースとのインタビューでテズメン氏は、「われわれが行っていることは、全て規制に沿っている。世界の市場で行われていないことを、われわれが行ったことはない」と述べていた。

今回の混乱に対応し、トルコの規制当局である資本市場委員会(CMB)はテラを含む7社が運用する131本のファンドに清算を命令。これらのファンドには合わせて45万5758人が投資していたと、CMBは23日に明らかにした。

原題:Turkey Arrests Tera Chairman at Heart of Funds Scandal (2)(抜粋)

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