ロンドンのバンカーは、急落した英国債を個人口座で買い進めている。中でも人気を集めているのが、2028年1月償還債だ。

バークレイズのデータによると、8月に個人投資家が最も多く購入した英国債が、この債券だった。英国最大の個人向け投資プラットフォーム、ハーグリーブス・ランズダウンでも同債が最も人気となるなど、熱狂が見られている。英国債全体の購入も過去2週間で約50%増加したという。

2028年1月債は、あまり見られない極めて有利な特徴を併せ持っている。税金がかかるのは0.125%という低いクーポンの利息だけで、リターンの大部分は、満期に向けて価格が額面に近づくことで生じる非課税のキャピタルゲインだ。一方、残存期間が短いため、地政学リスクへのエクスポージャーも抑えられる。

この組み合わせはトレーディングフロアで話題を呼び、ブルームバーグ・ニュースが話を聞いた十数人が、自分自身または同僚が購入していると答えた。

ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、マーカス・ジェニングス氏は、「類似する他の債券に比べて割高で、需要の強さを示している。低クーポンであることが理由だろう」と述べた。「低クーポンの英国債は、リターンがキャピタルゲインに偏る」と指摘した。

低クーポンの英国債は近年、英国人富裕層の間で人気が高まっている。英国債のキャピタルゲインは課税されないという税制上の優遇措置により、預金口座よりも税引き後の実質的なリターンが高くなる可能性があるためだ。

ブルームバーグがまとめたデータによると、こうした傾向はここ数カ月で加速し、2028年債でとりわけ顕著だ。同債は現在、最も近い年限の英国債に対して68ベーシスポイント(bp)割高な水準で取引されている。

ナインティー・ワンのポートフォリオマネジャー、ジェイソン・ボルボラシーン氏は「高金利の銀行預金口座に現金を預ける代わりの選択肢、というだけのことだ。英短期債の利回りは大半の債券と同様にまずまず上昇していた。2028年償還債は、所得税上の優遇措置の恩恵を受けられる低クーポン債の中で、次に満期を迎える銘柄だ」と語った。

イングランド銀行(英中央銀行)が年内に利上げを行うとの見方が強まり、今月に入り短期債利回りが上昇。売られた場面を積極的に狙う投資家にとって、数十年間にわたり資金を塩漬けにすることなく、より高いリターンを確保する好機が訪れた格好となった。

また、以前の低クーポン債が1月に満期となり、来月には別の低クーポン債が償還期限を迎える。この償還金の多くは、再投資される公算が大きい。

「2028年1月償還債は依然として人気の高い銘柄の一つで、これは続くと予想される。2026年10月22日に満期となる英国債を保有する投資家も、償還金を28年1月債に再投資する可能性は十分にありそうだ」と、ハーグリーブス・ランズダウンのシニア投資アナリスト、ハル・クック氏は述べた。

とはいえ、どの債券にも価格の変動があり、このトレーディングにリスクがないわけではない。

英国債の投資家には、長期債に手を出して被った苦い記憶がまだ残る。低クーポンと額面を大幅に下回る価格から、かつて2061年債が個人投資家の間で人気化した。ところが、何年経っても価格は回復していない。

原題:London Bankers Stock Up on Gilts to Juice Personal Accounts (1)(抜粋)

--取材協力:James Hirai.

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