(ブルームバーグ):カタールは、政府系ファンドが保有する数千億ドル規模の国内資産を運用・拡大するため、専用プラットフォームを設立する。天然ガス資源が豊富な同国の政府系投資の枠組みを抜本的に再編する。
ムハンマド首相は20日、ニューヨークで開かれたカタール経済フォーラムで、新たなプラットフォーム「ドーハ・インベストメント」について、長期的な価値創出を加速させ、同国経済への民間部門の参画拡大を目指すと説明した。
ムハンマド首相は「国内の有力企業を支援し、新興企業の成長を後押しするほか、資本市場を深化させ、こうした取り組みに貢献する海外の資本や専門知識を呼び込む」と述べた。
ブルームバーグ・ニュースが1月に初めて報じたこの計画は、地域で戦争が始まる前から進められていた。事情に詳しい関係者が当時明らかにしたところでは、重点分野で国内開発を優先するのに加え、運用資産5800億ドル(約91兆円)のカタール投資庁(QIA)が海外投資をより適切に運用できるようにする狙いもある。
新組織の設立により、中東ではインフラ整備の動きが一段と加速する。サウジアラビアは紅海沿岸の港湾への投資を加速させ、アラブ首長国連邦(UAE)は重要航路であるホルムズ海峡を迂回(うかい)するルートの整備に向け、数十億ドル規模の「ゼロ・ホルムズ」戦略を進めている。
ムハンマド首相によると、カタールは官民連携(PPP)を含め、今後5年間で約385億ドル規模の新たなインフラ事業を発注する見通しだ。不動産・ホスピタリティー分野では別途、225億ドルの民間投資を呼び込む案件が見込まれている。
国内開発を一段と強化する動きの背景には、米国とイランの戦争による経済的な影響に中東が直面していることがある。ムハンマド首相はこの戦争を「地震」に例え、その衝撃は中東をはるかに越えて広がっていると述べた。
ムハンマド首相は「永続的な安全保障は、緊張激化と報復を繰り返していては築けない」と述べ、各国の主権が尊重され、いずれの国も他国の脅威とならない枠組みが必要だと訴えた。
カタール政府は、ブルームバーグが主催するカタール経済フォーラムのスポンサーを務めている。
原題:Qatar Reshapes Its Wealth Fund Strategy With New Local Platform(抜粋)
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