米金融市場は株価がレンジ内でもみ合う一方、国債利回りは上昇した。一連のオプション最終取引が重なり、株式の出来高は急増した。S&P500種株価指数は構成銘柄の大半が下落したが、ナスダック100指数は0.7%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.8%上昇した。

この日は、不吉な呼び名で知られる四半期ごとの「トリプルウィッチング」でもあった。株式、株価指数オプション、先物に連動するデリバティブ契約が満期を迎えるため、トレーダーは既存ポジションをロールオーバーするか、新たなポジションを構築する必要に迫られる。

シタデル・セキュリティーズによると、満期を迎えるオプションの想定元本は約7兆ドルと、過去最大級となる。

ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「原油価格が大幅に下落する、あるいは中期的に利回りが急低下すると投資家に考えさせるようなファンダメンタルズ面の変化は何もない」と指摘。「ボラティリティーが近く急激に跳ね上がる可能性は依然としてある」と述べた。

カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は今週の利上げを支持すると述べ、原油高だけが要因ではない高インフレを抑えるために必要な措置だったとの認識を示した。

エドワード・ジョーンズのアンジェロ・クルカファス氏は「連邦準備制度理事会(FRB)による今回の動きは1回限りで終わる可能性が低いものの、かといって積極的な利上げサイクルの始まりとも感じられない」と話す。「われわれの見方では、FRBは2022年当時ほど対応が後手に回ってはいない」と続けた。

経済データでは、8月の米鉱工業生産指数の統計で、製造業の生産が予想外に落ち込んだ。製造業の投入コストが上昇する中、企業向け設備の生産が鈍化した。

米保険・投資会社のバークシャー・ハサウェイは、創業者のウォーレン・バフェット氏が会長職を退き、息子のハワード・バフェット氏が後任に就くと発表した。世界屈指の複合企業を約60年にわたり率いてきたウォーレン・バフェット氏は、事実上その役割を終える。

原子力発電所向けに原子炉技術を提供するウェスチングハウス・エレクトリックは、米国での新規株式公開(IPO)で500億ドル(約7兆8000億円)超の企業価値評価を目指している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、利益見通しを大幅に下方修正した。中国での急激な販売縮小と、傘下の高級スポーツカーメーカー、ポルシェに絡む60億ユーロ(約1兆1000億円)の評価損が影響した。

AIブームの中心地、カリフォルニア州のニューサム知事は18日、AIへの安全対策導入を推進する行政命令を出した。

米国債

米国債相場は軒並み下落し、世界的な国債売りの波に加わった。短・中期債の利回り上昇が比較的大きく、利回り曲線のベアフラットニングが進んだ。

欧州市場では政治的不透明感の高まりと、それが財政赤字に及ぼす影響への懸念から国債売りが広がり、特にフランス国債が下げた。原油価格は終盤に上げを解消したものの、米国債を押し上げるには至らず、10年債利回りは再び5%を付けた。

ミシュラー・ファイナンシャル・グループの金利セールス・トレーディング担当マネジングディレクター、トニー・ファレン氏は「FRBが引き締めサイクルに入り、今回1回だけで終わる可能性はほぼゼロであるため、投資家はショートにしたがっている」と述べた。

マーク・カバナ氏らBofAのストラテジストは「政策が引き締め的になったことがもっとはっきりと示されるまで、短期ゾーンの金利は上昇を続け、イールドカーブはフラット化すると予想している」とリポートで述べた。

外為

外国為替市場の円相場は下落。日本銀行がレートチェックを実施したと日本経済新聞が伝えた後、1ドル=157円台後半から156円台後半に下げ幅を縮小した。

日経の報道を受けて下げ幅を削る前、日銀のガイダンスへの失望から円は下落していた。日銀は広く予想されていた通り、政策金利を引き上げたが、市場はさらなるインフレ抑制に向けてより具体的な示唆を求めていた。

BNYのシニアストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は「日銀は期待ほどタカ派的ではなかったと受け止められ、それでドルが対円で持ち直した。最近の為替対応の効果と信頼性を維持するため、当局者が市場にどのようなシグナルを送るかに投資家は注目するだろう」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の為替ストラテジスト、アレックス・コーエン氏は「日銀が利上げをしたにもかかわらず、円は急落した。きょうのレートチェックは市場に対するさらなる警告だ」と指摘。

同氏は日本の財務省について、「大規模な外貨準備を投じて介入に踏み切る意思があることを、これまで示してきた」とし、「市場は今回も介入への警戒を強めるべきだ」と述べた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、国債利回りの上昇を背景に堅調に推移した。一時は0.3%上昇する場面も見られた。

原油

原油相場は3日続落。サウジアラビアが欧州向け販売の一部を停止したものの、トレーダーやアナリストからは、現時点では供給面の余力がなお保たれているとの見方が示されている。

国営石油会社サウジアラムコは、顧客の欧州石油精製会社少なくとも2社に対し、来月は原油を割り当てないと通知した。東西横断の石油パイプラインが攻撃を受けたことを理由に挙げた。

ただ、アラムコは同パイプラインについて、数日以内の部分的な稼働再開を目指していると、ブルームバーグが今週報じた。サウジはホルムズ海峡の外側からの原油販売も拡大している。

TP ICAPグループのエネルギー専門家、スコット・シェルトン氏は「サウジでヤンブーを経由するルートが一部再開され、さらにホルムズ海峡からより多くの原油を販売する方法を見いだしたことで、現物原油市場のパニックはいったん収まったようだ」と述べた。

北海ブレント11月限は前日比95セント(0.9%)安の1バレル=103.87ドル。週間ベースでも下落した。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)10月限は前日比1.61ドル(1.6%)安の100.30ドルで終了した。

金スポット相場は続伸。中東での供給混乱が緩和に向かうとの見方から原油価格が下落し、インフレ懸念が和らいでいることが背景にある。

エネルギー価格の上昇は、金利がより長期にわたり高水準にとどまるとの観測を強め、利息を生まない金にとって逆風となっていた。

リナ・トーマス氏らゴールドマン・サックス・グループのアナリストは米国の利上げについて、金相場の上昇を鈍化させるが、妨げるものではないとリポートで指摘した。年末予想は1オンス=4900ドルから4650ドルに引き下げた。

スポット価格はニューヨーク時間午後3時50分現在、前日比40ドル(0.9%)高の4381.70ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、同25.20ドル(0.6%)高の4424.90ドルで引けた。

欧州

欧州株は下落。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が利益見通しを引き下げたことを受け、自動車関連銘柄が下落した。ストックス欧州600指数は1%安。週間ベースでは0.6%下落、3週連続安となった。

VWは5.6%安。傘下のポルシェに関連する評価損と、中国自動車市場の急激な縮小を受けて営業利益率の見通しを引き下げた。このほか、スイスの食品大手ネスレが2.6%下落。ロシアがネスレとフランスのスーパーマーケットチェーン「オーシャン」の同国事業を接収すると決定したことが材料視された。

欧州債市場ではフランス債が幅広い年限で下落した。政治の先行き不透明感が続く中、同国の財政赤字に対する懸念が強まった。10年物フランス債のドイツ債に対する上乗せ利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大して105bpと、2012年以降で最大となった。8月末時点では85bpだった。

ドイツ債はベアフラット化。トレーダーは欧州中央銀行(ECB)の利上げ見通しを引き上げた。スワップ動向によれば、来月の利上げ幅は16bpと想定され、年末までは39bpとなっている。2027年10月までは最大で94bpと織り込まれた。

英国債もベアフラット化。エネルギー価格の上昇が響いた。短期金融市場で織り込まれているイングランド銀行(英中央銀行)の11月の利上げは23bpと変わらず。来年末までは111bpに引き上げられた。

9月18日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:S&P 500 Volume Spikes on $7 Trillion Options Day: Markets Wrap(抜粋)

原題:Treasuries Slide With European Bond Slump as Flattening Extends(抜粋)

原題:Treasuries Fall as Fed Rate-Hike Outlook Dents Sentiment (1)(抜粋)

原題:Yen Pares Loss Amid Report of Rate Check; Dollar Up: Inside G10(抜粋)

原題:Oil Dips in Choppy Session on Mixed Outlook for Saudi Exports(抜粋)

原題:Gold Edges Higher as Lower Oil, Fed Hike Temper Inflation Fears(抜粋)

原題:OATs Slump, Widening Gap Over Bunds to 105bps: End-of-Day Curves(抜粋)

European Stocks Extend Drop as Volkswagen Falls on Outlook Cut(抜粋)

--取材協力:楽山麻理子.

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