■要旨

・8月の投資への資金流入が減少するも、2兆円超の高水準を維持。
・国内株式ファンドが流入減となるも、売却超過を免れ買いが定着している。
・NISA資金を背景に、外国株式ファンドが高水準の流入を継続する見込み。

大規模流入が継続

2026年8月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、「ファンド」)の推計資金流出入は、ファンド全体で2兆1,300億円の資金流入があった。3カ月連続の2兆円超えとなったが、7月の2兆7,000億円から5,600億円減少した。なお、SMA専用ファンドには8月に3,700億円と7月から600億円増加しており、一般販売されているファンドでは流入額が6,300億円減少した。

資産クラス別に見ると、8月は国内株式ファンドへの流入減少が大きかった。SMA専用ファンドには1,100億円とまとまった資金流入があったが、一般販売では7月から4,300億円減少し、2,000億円の資金流入にとどまった。もっとも、8月に販売が鈍化したというより、7月が高水準であったため減速した面が強いだろう。

資金流出に転じなかったインデックス型国内株式

一般販売されている国内株式ファンドをタイプ別に見ると、インデックス型への資金流入は500億円にとどまり、7月の3,400億円からの減少が顕著であった。特に日経平均株価連動型への流入が100億円を下回り、7月の2,800億円から大幅に減少した。

8月は上旬から中旬にかけて国内株式が大きく上昇し、17日には日経平均株価が6万9,000円台まで回復した。それに伴って日経平均連動型は資金流出基調が続き、18日までの累積流出額が600億円に迫った。下旬の調整局面で流入基調に転じたため、8月を通じてみるとほぼ流出入がない状態となった。

8月は一時、売却が膨らんだとはいえ、7月の下落局面での資金流入の大きさを踏まえると、売却は小規模であったことが分かる。また、4月上旬の上昇局面と比べても資金流出は限定的であった。さらに日経平均連動型以外のインデックス型には、TOPIX連動型を中心に500億円に迫る資金流入があった。7月と比べると鈍化したが、減少額は200億円弱と日経平均株価連動型よりも少額であり、月を通じて安定して買付があったといえるだろう。

このようにインデックス型の国内株式ファンドでは、4月と同様に売却超過に転じてもおかしくない市場環境であった。それでも8月は流入超過となり、以前よりも買付が定常的に多くなっていることを示唆する1カ月となった。

アクティブ型の国内株式ファンドについても、一般販売されているものへの流入は1,500億円となり、7月から半減した。「野村構造変化日本株ファンド」(野村AM)には8月も300億円の流入があったが、設定された7月の流入額が1,100億円であったことを踏まえると、設定直後の勢いは維持できなかったといえよう。

高水準を維持するインデックス型外国株式

また、外国株式ファンドについても8月は1兆5,000億円と7月から1,500億円減少となり、減少ペースはやや和らいだものの、2カ月連続の減少となった。一般販売されているものをタイプ別に見ると、インデックス型が1兆200億円と7月から900億円減少し、顕著だった。

個別で8月に資金流入が大きかったインデックス型の外国株式ファンドを見ると、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)」(三菱UAM)に4,000億円の資金流入があったが、7月から500億円近く鈍化した。また、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UAM)についても2,000億円以上は維持したが、7月から鈍化した。この2本合計で7月からの減少額が700億円に迫っており、インデックス型への流入鈍化はこの2本の減少が大きかった。

この2本については2025年1月と2026年1月を除けば、6月、7月と流入額が過去最大を2カ月連続で更新した。8月に鈍化したというよりも、夏のボーナスを原資とした買付などによって6月、7月に膨らんでいた面が大きいだろう。

もっとも、8月も3カ月連続でこの2本を中心にインデックス型外国株式ファンド全体に1兆円を超える資金流入があり、販売自体は堅調そのものといえよう。2026年累積でみると8月までで流入額が8兆800億円を記録しており、2024年、2025年を大きく上回っている。

その背景には、NISA口座からの投信の買付が2026年に一段と増加していることがあると考えられる。証券10社の7月までの数値になるが、NISA口座の年初からの投信の買付額を見ても2026年は7月までの累積で7兆円に迫っており、過去2年と比べて増加している。その買付増加の大部分がインデックス型の外国株式ファンドへの流入になっているとみられ、流入が底上げされていると推察される。一部は先述した国内株式ファンドに流れている可能性もあり、このままNISA口座からの投信の買付とともに、インデックス型の株式ファンドへの資金流入の勢いが続くのか注目したい。

テーマ型の外国株式ファンドの一部が高騰

8月は、一部のテーマ型の外国株式ファンドが高騰し、中には収益率が20%を超えるものもあった。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 上席研究員 前山 裕亮)