(ブルームバーグ):企業によるAI活用はまだ緒に就いたばかりで、十分な効果を引き出すにはさらなる支援が必要だ。米AI開発企業アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)と 米顧客管理ソフト大手セールスフォースのマーク・ベニオフCEOがこうした認識を示した。
アモデイ氏は15日、サンフランシスコで開かれたセールスフォースの年次イベント「ドリームフォース」にベニオフ氏と登壇し、AIの力は経済全体でほとんど生かされておらず、AIが現時点で生み出せる価値のうち、実際に活用されているのは5-10%にすぎないと述べた。
セールスフォースの主な顧客である大企業でも、AI活用の実態はアモデイ氏ら経営者が描く未来像にはなおほど遠い。両社は先月、アンソロピックのAIモデル「Claude(クロード)」をセールスフォース製品に統合する提携拡大を発表した。
AIの利点をめぐる今回の発言は、アモデイ氏がAIの潜在的なリスクを指摘し、開発ペースを落とす必要性を訴える論考を発表した数日後のことだった。この主張には競合するAI企業の幹部も賛同し、AIを人間の制御下にとどめる方法をめぐって、政策当局や業界内で議論が広がっている。
セールスフォースとアンソロピックの提携拡大は、大手AI企業がセールスフォースのような従来型ソフトウエア大手の事業を奪うツールを投入するのではないかという投資家の懸念が数カ月続くなかで発表された。ウォール街では、この提携拡大を両社が互いの事業を脅かさないとの意思表示と受け止める向きが多かった。
ベニオフ氏によると、セールスフォースではすでに7000人の従業員が、Claudeを組み込んだ自社ツールを使っている。セールスフォースが保有するアンソロピック持ち分の評価額は、6月上旬時点で約50億ドル(約7800億円)だった。
ベニオフ氏は今回のイベントで、AIの導入状況には大きな「ばらつき」があると指摘。「変革を加速できるよう、われわれはもっと支援しなければならない」と語った。
セールスフォースの戦略は、既存モデルを顧客にとってより使いやすくすることを軸としており、最先端AIモデルの開発が減速すれば追い風になり得ると、パトリック・ストークス社長が14日、報道陣向けの事前イベントで述べた。
ストークス氏は「開発する側からすれば、彼らが少しペースを落とすのはある意味でありがたい。われわれにはまだ追いつくべき部分が多い」と述べた。そのうえで、「われわれの役割は、AIモデル周辺のシステムやインフラ、機能を整備していくことだ」と語った。
原題:Anthropic, Salesforce CEOs Say Companies Need Help Using AI (1)(抜粋)
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