(ブルームバーグ):16日の日本市場では円が対ドルで下落している。原油高や米長期金利上昇を受けてドル買い・円売りが優勢だ。債券は超長期金利が上昇している。日米の金融政策決定を控え、市場全般は様子見ムードが強い。
円相場は対ドルで155円台半ばとニューヨーク終値と比べて円安方向で推移している。15日の海外市場で原油相場が続伸しており、米長期金利は5%台で2007年以来の高水準に達した。日本でもインフレ懸念から20、30年の超長期金利が上がっている。株式は東証株価指数(TOPIX)が反発。

日本時間の17日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)、18日の日本銀行金融政策決定会合の結果発表を前に金融市場は積極的な買いは控えられている。スワップ市場ではFOMCでの利上げが9割強、日本銀行の利上げは完全に織り込まれている。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは「米長期金利の5%台乗せに加え、政府が防衛費の対名目成長率(GDP)比3.5%まで拡大するとの報道もドル買い・円売りの流れを支えている」と語る。東京市場の日中は「約2週間ぶりの155円台で、輸出企業のドル売りが出てドルの上値は抑制される可能性もある」とみている。
為替
円は対ドルで155円台半ばで推移。日本時間17日未明に結果が発表されるFOMCを前に狭い範囲でもみ合っている。
みなと銀行の苅谷氏は、FOMCで利上げが見送られるサプライズとなり、大幅なドル安が進むリスクにも注意が必要と語る。ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がフォワードガイダンスを示さないため、市場が自律的に連続利上げを織り込みにいったが、利上げ見送りではしごを外される可能性もあると話す。
予想通り利上げに踏み切っても「フォワードガイダンスが示されないことで次の早期利上げ期待がはく落し、市場はドル安で反応することも考えられる」と言う。
債券
債券は超長期金利が上昇している。財政拡張懸念に加えて機関投資家の売りの可能性が指摘されている。
15日の米国市場で米10年国債利回りは一時、前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い5.04%に上昇し、2007年以来の高水準に達した。設備投資の活況や原油価格の上昇でインフレ懸念が強まっており、世界的な債券売りが続いている。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「残存期間25年ゾーンがボリュームを伴って売られており、期末が近づいているため、生命保険会社が含み損を抱えた既発債を売っている可能性がある」と語る。
対照的に先物が上昇しているのは「FOMCという大きなイベントを前に、前日までの売り材料で積み上がったショート(売り)ポジションを解消するための買いが入っている可能性がある」と田氏は指摘。米長期金利が時間外取引で低下していることも支えになっていると言う。
防衛費の対名目GDP比を3.5%まで拡大を検討しているとの報道も重しになっている。大和証券の尾谷俊チーフストラテジストはリポートで、防衛費の国内総生産(GDP)比3.5%への拡大は長期金利を15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度押し上げる効果があると指摘した。
株式
株式はTOPIXが上昇している。為替の円安や堅調な企業業績などを背景に買いが優勢となっている。
電機や銀行、化学や自動車などのほか、原油高や中東混乱が追い風になる商社や海運株が高い。半面、ソフトバンクグループやキオクシアホールディングスなどAI・半導体関連の一角や医薬品は売られており、日経平均株価は小幅に続落している。
大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは、国内外の金利上昇でAI関連株は手がけづらい一方、全体として相場が底堅い背景には「企業業績の強さに加えて金利高がすぐには景気悪化に結びつかないだろうという見方がある」と述べた。
東海東京インテリジェンス・ラボの澤田遼太郎シニアアナリストは、米FOMCを控え、9月の利上げはほぼ確実視されており、10月利上げも市場の織り込みはほぼ五分五分になっていると指摘。「さらなる利上げが示唆されれば株売り要因になるため、様子見姿勢が強まりやすい」と話した。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:我妻綾.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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