暗号資産(仮想通貨)は14日に上昇。米暗号資産規制法案の成立期待が再び強まり、デジタル資産全般にリスク選好が広がった。

市場規制法案「クラリティー法」が年内に成立する確率は、予測市場ポリマーケットで一時約14%まで低下していたが、約30%に回復。依然として成立の可能性は低いものの、見通しは大きく改善した。

暗号資産全体の時価総額の約6割を占めるビットコインは一時2.6%高の7万9322ドルと、再び8万ドルに接近した。暗号資産関連株の上昇率はさらに大きく、暗号資産交換業者コインベース・グローバルは9.2%高、ステーブルコイン発行会社サークル・インターネット・グループは7.5%高となった。

暗号資産インフラ大手ビットゴーのビットゴー・プライム部門責任者、ステファン・フォン・ヘーニッシュ氏は「市場は明日の採決を前に、なお慎重な見方をしている。ビットコインが底堅く推移する一方、暗号資産関連株はより強い。米国で規制の明確化が進む可能性を投資家が一定程度織り込んでいることを示している」と述べた。

上院議員らは今週後半に手続き上の採決を開始すると表明している。これに先立ち共和党上院議員は、最も論争の大きかった点の一部を修正した法案の最終案を公表した。

新たな案では、預金流出が地域銀行に「悪影響」を及ぼす場合、財務長官が介入できる権限を付与する。また、民主党が問題視していた、大統領や他の選挙公職者による暗号資産保有を巡る新たな倫理規定も盛り込んだ。大統領には、暗号資産を売却するか、多額の保有分をブラインドトラスト(白紙委任信託)へ移管するよう義務付け、違反すれば金銭的制裁を科す。

さらに、倫理規定の執行では、州司法長官にも一定の役割を与える。

トレーディング会社LO:TECHの調査責任者、アダム・マッカーシー氏は「市場は、手続き上の採決を通過する可能性をある程度織り込んでいる。これが実現してもクラリティー法の成立まではなお遠い。頓挫すれば、暗号資産関連株の下げはビットコインより大きくなるだろう」と述べた。

もっとも、一部の業界関係者は、デジタル資産市場に最も大きな影響を及ぼすのは米連邦公開市場委員会(FOMC)会合になる可能性があるとみている。

ビットゲット・ウォレットのリサーチアナリスト、レイシー・チャン氏は「市場は現在、16日の米連邦準備制度による25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げ確率を約86-87%織り込んでいる。ビットコインは7万ドル台半ばから後半で底堅く推移し、8月以降の値動きも大きく崩れていないことから、この基本シナリオの大半は既に織り込まれているようだ」と指摘。

「より大きな相場変動につながるのは、FOMCの声明が予想外にタカ派的な内容となる場合だ」と述べた。

原題:Crypto Rises as Long-Shot US Bill Gains Better Odds of Passage(抜粋)

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