(ブルームバーグ):米アンソロピックは、同社のAIモデル「Claude(クロード)」 が自爆型ドローン群やミサイル誘導システム、生物兵器など、幅広い軍事用途につながり得る開発に悪用されていたと明らかにした。軍事プログラムや個別の集団による高度なAIの利用を巡る懸念が浮き彫りになった。
アンソロピックが10日公表した報告書によると、過去1年間にClaudeを悪用したとして特定されたユーザーにはイランやロシア、中国、イエメンなどの国の利用者が含まれていた。いずれの事例でも、アンソロピックの最上位モデル「フェイブル(Fable)」と「ミュトス(Mythos)」は使用されていなかった。
アンソロピックは報告書で、「モデルの能力が高まるにつれ、AI開発企業や社会を守る側が安全性向上に取り組まなければ、それに伴うリスクも増大する」と指摘した。
報告書によると、米国の敵対勢力を支援する目的でClaudeを利用しようとしたユーザーもいた。多くの場合、Claudeの安全対策を回避したり、自らの所在地を隠したりしようとしていた。
ロシアのユーザーは、ウクライナの戦闘映像で訓練された自律型の一人称視点(FPV)自爆ドローン群向けソフトウエアの開発にClaudeを利用しようとした。アンソロピックはこのユーザーについて、国家とのつながりはないと判断している。
報告書ではまた、生物兵器の開発支援につながり得る形でClaudeが利用された5件の事例も取り上げている。アンソロピックは、これらの事例はいずれも「曖昧」であり、悪意のない科学的な目的による可能性もある研究だったと指摘した。
イエメン北部でも利用
イエメン北部ではClaudeがミサイルやロケットシステムの開発に利用されていたことが明らかになった。イエメンでは親イラン武装組織フーシ派が活動している。
アンソロピックによると、身元不明の集団が3件の兵器開発プロジェクトに取り組んでいた。誘導ロケットのほか、射程が2000キロメートルを超えるとされる弾道ミサイル、「R2000」と呼ばれるミサイル群が含まれていた。
イエメンで確認されたこの集団は、ロケットの実射試験を実施し、その後、失敗したとみられる発射の原因を突き止めるためClaudeに支援を求めた。アンソロピックは、この取り組みが実際に使用可能な兵器の開発につながったことを示す証拠は確認されなかったとしている。
Claudeは、誘導やナビゲーション、制御ソフトウエアの開発に使用されており、通常はソフトウエアエンジニアが行う作業の一部を事実上担っていたという。
さらにこの集団はオフラインで使用できるシミュレーション用ツールキットも開発し、Claudeやエンジニアリングソフトウエア環境に継続的にアクセスしなくても、兵器開発作業の一部を続けられるようにしていた。
アンソロピックは、調査後にこの活動に関連するアカウントの利用を停止し、パートナーと情報を共有したほか、安全対策を強化したと説明した。
原題:Anthropic Says Yemeni Cell Used Claude in Missile Development
Anthropic Says Yemeni Cell Used Claude in Missile Development
(抜粋)
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--取材協力:Simon Marks、Nduka Orjinmo.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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