約半年ぶりの円高水準となる中、円安の恩恵を享受してきたトヨタ自動車をはじめとする日本の自動車メーカーの利益が圧迫される恐れが出てきた。

8日の日本市場では円が対ドルで一時152円台まで上昇した。2月以来の円高水準となる。7月下旬に164円台寸前まで円安が進み対ドルで1986年以来の安値まで下落、日米政府は同月末に15年ぶりとなる協調介入に踏み切った。一度は160円台に戻ったものの9月に入って日本銀行の利上げ観測の高まりなどを背景に市場のセンチメントが急速に強気へ傾き、再び上昇していた。

イラン情勢や米国関税、中国メーカーといった新興勢力の台頭などさまざまな困難に直面する日本の自動車メーカーの今期(2027年3月)の業績見通しは円安の中でもおおむね低調で、トヨタは3期連続での営業減益を見込んでいる。円高が続けば、業績がさらに押し下げられる可能性もある。

トヨタでは、円がドルに対して1円上昇するごとに年間営業利益が500億円減少する。足元の為替水準が続くと仮定した場合、想定為替レートを1ドル=160円とする同社では、約3500億円の下振れ要因になる計算だ。

国内自動車メーカーの今期の想定為替レートは、1ドル=150ー160円のレンジで分布する。各社はこのレートに基づいて売上高や利益見通しを策定している。海外での売上比率が高いため各社とも原則的に円安が業績にプラスとなる。トヨタとスズキ、ホンダは8月の決算発表に合わせて通期の想定為替レートを円安方向に修正していた。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.