東南アジアのタイで、日本のドラマを売り込む実証事業が始まっています。アジアのドラマがしのぎを削るタイの市場開拓につながるのでしょうか。
先月、タイ・バンコクで開かれたイベントに登場したのは、竜星涼さんとタナパック・ジョンジャイパーさん。2人はTBSのドラマ「VIVANT」で元公安の新庄役とタイの実業家・チョッキー役を演じ話題になりました。多くの人が詰めかける中、VIVANTのタイでの撮影秘話や作品の魅力をPRしました。
「(VIVANTは)面白いです。シーズン1が続きが気になる展開で終わったので、(シーズン2を)楽しみにしていました」
「タイ人俳優が出演するだけでなく、撮影場所もタイなので嬉しいです」
実はいま、タイで日本のドラマを売り込むオールジャパンの取り組みが始まっています。
総務省の委託を受けたNTTドコモは今年3月、タイ最大級の配信サービスと提携し、NHKや民放など76社が参加する日本専門チャンネルを開設。
さらに7月からは、VIVANTなど在京キー局5局の新作ドラマを日本での放送から数日後にタイで配信しています。
NTTドコモ 田中智則 映像サービス部長
「(タイは)特に若年層が良いコンテンツを自らのコミュニティで広める熱量とスピードが、東南アジアでも群を抜いていると考えています」
ただ、タイの人たちに好きな日本のコンテンツを聞いてみると…
「『名探偵コナン』や『ドラえもん』はみたことがあります」
「『ドラえもん』なら私も」
「アニメは知っていても、ドラマは知らない人が多いです」
日本の放送コンテンツの輸出額は1000億円を突破しましたが、その9割はアニメで、ドラマは権利処理などの問題もあり、なかなか海外に展開できていないのが現状です。
タイはアジアでも激しいドラマの競争市場。タイドラマが4割以上の視聴シェアを占めていて、韓国ドラマなども根強い人気を誇ります。そして、このところ急速に伸びているのが中国ドラマです。
調査会社「AGBニールセン」 チャルキット・トーモーンさん
「(中国ドラマの)俳優を中心に様々なファンのコミュニティが作られ、タイでファンイベントが開催されるなどしています。こうしてトレンドが生まれ、視聴者層が拡大しているのです」
記者
「ショッピングモールにある巨大ビジョンには、中国ドラマの広告が出ています」
商業施設や駅など、いたるところに中国ドラマの広告が。PR戦略に加え、ネット配信でのドラマ視聴が主流となる中、「iQIYI」など中国独自の配信サービスが参入したことも強みとなっています。
「『iQIYI』は中国ドラマのタイ語吹き替えも多いから気に入っています」
こうしたことから、今回の日本の実証事業でも、タイ語吹き替え版などを配信することで視聴者の需要を分析しています。
NTTドコモ 田中智則 映像サービス部長
「ここで成功モデルを確立し、ASEAN全域での展開起点にしたい」
7年後には実写コンテンツの輸出額を2500億円以上に引き上げることを目指す日本。タイの人たちの心をつかむことはできるのでしょうか。
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