中国は、半導体製造に使われる日本産の特殊ガス輸入に暫定的な反ダンピング(不当廉売)措置を導入した。台湾を巡る外交対立で、対日圧力を一段と強める。

中国商務省は7日発表した声明で、シリコンウエハーを半導体に加工する際に使われる日本産のジクロロシランを輸入する企業に対し、8日から最大99.2%の保証金を納めるよう義務付けると発表した。

高市早苗首相が昨年11月の国会答弁で、中国が台湾に対する武力行使を試みた場合、米軍の関与を前提に自衛隊を派遣する可能性を示唆した。中国はこれに反発し、対立が続いている。

木原稔官房長官は8日の記者会見で、「調査対象となっている日本企業と緊密に連携しつつ、当該調査の状況や影響を十分に精査し、事業活動に不当な影響が生じないよう、適切に対応」すると表明した。

中国共産党は民主主義の台湾を一度も統治したことはないが、自国領土の一部だと主張。中国は日本への渡航自粛を自国民に呼びかけ、一部の輸出規制を強化するなどの措置を講じてきた。

中国共産党の習近平総書記(国家主席)はワシントンを訪れ、ホワイトハウスでトランプ米大統領と24日に会談する予定。高市首相も月内の訪米を計画している。

日本は超高純度ジクロロシランで世界をリード。一方、中国は半導体のサプライチェーンで上流分野への進出を図り、主要な材料や製造装置の研究開発を進めている。

今回の措置は、中国が今年1月にジクロロシランを対象に開始した反ダンピング調査に基づく仮決定の一環だ。中国商務省は、ダンピングによって中国国内産業に重大な損害が生じたと主張した。

商務省によれば、保証金率はデンカの子会社デナールシランに関し80.8%、信越化学工業などについては99.2%と設定された。

信越化学と日本酸素ホールディングスは、中国が日本から輸入する半導体製造材料ジクロロシランに反ダンピング措置を講じたことについて、現時点で事業への影響は限定的との見方を示した。

信越化学の広報担当者は8日、ブルームバーグの電話取材に対し、措置の詳細を精査しているとした上で、ジクロロシランが事業に占める割合は小さく、収支への影響はないと説明した。日本酸素のIR(投資家向け情報提供)室担当者も電話取材で、「基本的に現時点で影響としては限定的だが、今後は動向を注視していく」とコメントした。

日本はかつて中国にとって最大のジクロロシラン供給国だったが、2025年に韓国が日本を抜いた。税関統計によると、7月の日本からの輸入額は260万ドル(約3億9900万円)で、中国のジクロロシラン輸入総額の約33%を占めた。

原題:China Hits Japan With Anti-Dumping Measures on Chip Chemical(抜粋)

(日本側の対応を追加して更新します)

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