(ブルームバーグ):カタールで8月上旬に液化天然ガス(LNG)を積み込んだタンカー1隻が、ホルムズ海峡に向かっている。海峡を抜けようとする動きが確認されれば、7月以来初めてになるとみられる。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、LNGタンカー「アル・マルーナ」は7日、ホルムズ海峡に近づいていた。次の目的地としてパキスタンのカシム港を示し、10日に到着する可能性がある。ただ、ホルムズ海峡を通過するかどうかは不明だ。2カ月余り前に別のカタールのLNGタンカーが攻撃を受けて以降、海峡を通過する動きはほとんどみられていない。
これに先立ち、カタールの空荷のLNGタンカー数隻がペルシャ湾に戻り始めた。米国とイランの対立が中東で最近激化した後も、カタールがホルムズ海峡経由の輸出再開に備え、タンカーを配置している可能性がある。かつて世界のLNG輸出の2割を占めていたカタールは、7月下旬に自国のタンカー1隻が攻撃されて以降、出荷をほぼ停止している。
欧州とアジアの天然ガス価格はここ数日、タンカーへの新たな攻撃やカタールからの輸出の混乱が続いていることを受け、3年超ぶりの高値に急上昇した。輸出が再開されれば、供給不足や停電に見舞われ、価格に敏感な南アジアの買い手を中心に負担が和らぐことになる。
イランは7日、ホルムズ海峡を通る船舶の航行管理を巡り、オマーンとの合意が目前に迫っていると明らかにした。ただ市場関係者はなお影響を見極めようとしている。合意によって海峡に対するイランの統制が強まり、米国がどう対応するかという問題も浮上する可能性がある。
カタールは先月、欧州とアジア向けLNG供給に関するフォースマジュール(不可抗力条項)の適用を秋まで延長。価格の高止まりにつながっている。
一方、ペルシャ湾内では利用可能な空荷タンカーへのLNG積み込みを継続し、クウェート向けの燃料輸出も継続している。これにより貯蔵量を調整し、巨大輸出施設の一部を最低限の水準で稼働させている。一定の生産を続けて設備を動かしておけば、ホルムズ海峡をめぐる緊張が和らいだ際、国有エネルギー企業カタールエナジーは速やかに増産できる。
原題:Laden Qatari LNG Tanker Makes Rare Attempt to Exit Hormuz Strait(抜粋)
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