レイノルズ英ビジネス貿易相は、英自動車最大手ジャガー・ランドローバー(JLR)が今週発表するとみられる人員削減を抑えるために政府が金融支援を提供する考えはないと示唆した。

英紙タイムズが5日報じたところによると、JLRは今後2年間で4000人を削減する計画。同社はコスト急増や販売急減、米国の関税による影響に直面している。

タイムズによると、従業員には人員削減プログラムが7日に発表される予定だと通知された。

政府がJLRに金融支援を提供する可能性についてBBCから問われた同相は6日、「私は企業経営に介入しない。各社自らが将来的に適切な事業規模を見極める必要がある」と述べた。

同相はJLRの最高経営責任者(CEO)と労働組合ユナイトの書記長と話し、今週前半に両者と会談する予定だと説明。ただ、政府が「救済」に乗り出す考えはないと付け加えた。

「JLRのような大企業で、英国を代表する成功企業であっても、事業サイクルの局面によって直接雇用する人数は変わる」と同相は指摘。「長期的に競争力を最大限高められるよう、適切な人員規模にするためであれば、われわれが話し合うべきテーマだ。当然、人員削減はできる限り抑えたい」と語った。

JLRはブルームバーグに提供した資料で、今後2年間で約17億ポンド(約3590億円)のコスト削減を目指し、希望退職プログラムを開始すると明らかにした。世界の市場環境に対応するため、損益分岐点となる販売台数を30万台に引き下げ、事業を簡素化する方針。削減人数には言及しなかった。

人員削減は、今夏に英首相に就任したばかりのバーナム氏にとって打撃となる。同氏は英国の再工業化と雇用機会の拡大を掲げて首相官邸入りした。

英国で約3万3000人を雇用しているJLRは、インドのタタ・モーターズ・パッセンジャー・ビークルズの傘下にある。4-6月(第1四半期)は売上高が約10%減少し、税引き前利益は69%減の1億900万ポンドとなった。

同社初の電気自動車(EV)「レンジローバー」は今月初め、15万4070ポンドで発売された。市場で最も高価な電動SUVの一つで、JLRの同等のエンジン車より約5万ポンド高い。この高価格設定により、中国製の低価格SUVとの価格差が一段と際立っている。中国車は英国市場で急速に販売を伸ばしている。

また、米国の関税引き上げや中国での需要低迷にも対応を迫られている。昨年にはサイバー攻撃を受け、世界各地の事業が停止した。

関税を巡る環境や中国製EVとの競争は、他の欧州自動車メーカーにとっても大きな逆風となっている。独フォルクスワーゲン(VW)の監査役会は、追加で5万人を削減する再編計画を支持している。

原題:UK Minister Rules Out Jaguar Land Rover Bailout Over Job Cuts(抜粋)

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