(ブルームバーグ):スウェーデンの家具小売り大手イケアは、主に欧州で1500品目を超える商品の価格を15-25%引き下げる。生活費の高止まりでなお圧迫されている消費者を念頭に、新たな値下げに踏み切る。
1日の発表資料によると、イケア最大の小売事業者インカ・グループや他のフランチャイズ加盟店、ブランドを保有するインター・イケア・グループは、欧州市場全体での値下げに総額12億ユーロ(約2200億円)を充てる。
値下げの対象には、家具シリーズ「ビリー」「ヘムネス」「ポエング」などの商品が含まれ、値下げ幅や実施時期は国によって異なる。またインカ・グループはアジアと北米で「インフレと為替による圧力を相殺する」ため、7000万ユーロを充てる予定だ。
インカの最高経営責任者(CEO)、フベンシオ・マエストゥ氏は、インター・イケアのヤクブ・ヤンコフスキーCEOとの共同インタビューで、「雨が降っているときは、傘の値段を下げたい」と語った。
両氏は、家計への圧力が和らいだ兆しはほとんどないとみている。イケアが展開する多くの市場では、住宅費の高騰に加え、賃金の伸びが物価上昇に追いついておらず、消費者への圧迫が続いている。
マエストゥ氏は「住宅費を例に挙げれば、どの国に住んでいようとも、所得のほぼ40-50%が住宅に充てられている」と指摘し、「多くの人々にとって、月末までやりくりすることはますます厳しくなっている」と述べた。
今回の値下げは、商品をより手頃な価格にする、2024年度に始めた幅広い取り組みの一環だ。21年と22年には原材料費と輸送費の急騰を受け、イケアは値上げを余儀なくされていた。
その後はそれまでの値上げを打ち消すために多額の資金を投じ、数千品目を値下げしたほか、小売事業者向けの卸売価格も引き下げ、フランチャイズ加盟企業がその分を消費者に還元できるようにしている。
ヤンコフスキー氏によると、原材料費や物流費、輸送費は約2年にわたり上昇しており、イケアは「逆風に立ち向かって」値下げを進めているという。
それでも、この戦略によってイケアは市場シェアを拡大し、店舗への来客数と販売数量を伸ばした。一方で、売上高と収益性は犠牲になった。
マエストゥ氏は、8月31日までの会計年度に欧州で市場シェアを拡大したと説明した。一方、決算発表を前に売上高について先行して示唆することは避けた。年度全体については「計画通りに推移した」と述べた。
ヤンコフスキー氏によると、欧州ではサプライチェーンが順調に機能している一方、中東が最大の懸念地域となっており、6カ月前に比べ店舗への配送が難しくなっている。
ともに就任から比較的日が浅い両CEOは、コスト削減と業務の簡素化を進めれば、さらなる値下げの原資を確保する余地があるとの見方を示した。
マエストゥ氏は「低コストでなければ、低価格は実現できない」と述べ、「願わくは来年また会い、さらなる値下げについて話し合いたい」と語った。
原題:Ikea Cuts Prices Yet Again as Household Budgets Remain Squeezed(抜粋)
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