(ブルームバーグ):韓国政府は来年度、AI投資を推進するため、歳出を過去最大規模で拡大する計画だ。半導体産業の好調で税収が大幅に上振れする中、160兆ウォン(約18兆6400億円)超を新設基金に振り向ける。
企画予算処が1日、2027年度予算案を発表した。規模は820兆9000億ウォンで、26年から12.8%増える。これまでの最高だった09年の10.6%や、新型コロナウイルス禍のさなかだった20年の9.1%を上回り、過去最大の増加率となる。
計画の柱となるのが、新設する「未来対応基金」。過去10年間の国内税収のトレンドを上回る部分を基金の財源に充てる。162兆3000億ウォンが組み入れられる見通しだという。
このうち来年の事業に充てるのは45兆4000億ウォンにとどまり、若者や新成長分野、地域開発、教育を対象とする。
残る資金のうち12兆5000億ウォンは国債の新規発行を減らすために充てられ、少なくとも104兆4000億ウォンは予備費として確保する。企画予算処によると、この予備費により、政府は補正予算を編成することなく、新たな政策需要に対応できるようになる。
同基金がこれほどの規模に達する背景には、半導体産業からの法人税や所得税収の増加がある。国税収入は194兆2000億ウォン増の584兆4000億ウォンに達すると見込まれている。
朴洪根企画予算処長官は予算案の発表で、「半導体ブームによって生み出された貴重な税収を、従来の枠組みにとらわれず、経済や社会の全面的な変革に投資する戦略的な予算案だ」と述べた。
メガプロジェクト
韓国は「メガプロジェクト」と呼ばれる大規模な半導体投資計画と、幅広いAI推進策への支出をほぼ倍増させ、21兆3000億ウォンとする計画だ。半導体やフィジカルAI、国産AIデータセンターに加え、これらを支える電力、水、産業インフラが対象となる。
半導体分野への予算は3兆4000億ウォンに増額する。ソウル首都圏や湖南と呼ばれる南西部の生産拠点への支援などが含まれる。巨大な半導体クラスターの新設地に選ばれている、光州の軍用飛行場移転の支援金には、3000億ウォンを計上した。
政府は、フィジカルAIシステムの開発・導入に3兆1000億ウォン、先端的な国産AIモデルとサービスに12兆2000億ウォンを投じる。国産モデルを世界の最先端水準に引き上げるため、1万基のGPU(画像処理半導体)に加え、データや人材を提供する計画だ。
原題:Chip Tax Windfall Spurs South Korea’s Record Budget Expansion(抜粋)
--取材協力:Jaehyun Eom.
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