アメリカ・ニューヨークの観光名所、セントラルパークを走る馬車。事故をきっかけに、長年親しまれてきた場所を廃止すべきか大きな論争が巻き起こっています。
多くの人でにぎわうニューヨークのセントラルパーク。なかでも馬車は幅広い世代に人気の観光体験で、景色を楽しむ人の姿や馬と子どもたちが触れ合う場面も。
開園以来、150年以上にわたり親しまれてきた光景ですが…
記者
「セントラルパークで観光客に人気の馬車ですが、実は今、大きな議論となっています」
きっかけは、今年6月、馬車の事故で初の死者が出たことでした。
家族とインドから観光に来ていた18歳のロマンチさんは、馬車に乗っていた際、馬を操る御者が写真を撮ろうと馬車を離れたところ、馬が暴走。その際に投げ出され、死亡したということです。
遺族声明を代読した市議会議員
「私たちが葬儀の準備を進める中、馬車の運行を再開させることは、市が人の命よりも観光を優先していることを物語っています」
これまでも馬を都市で働かせることが動物虐待にあたるとして市議会に法案が提出されていましたが、今回の事故を受け、馬車廃止をめぐる議論が再燃。
御者の団体は再発防止のため、基本的には馬から離れないよう徹底するとしたうえで、すでに要望していた馬をつなぐための支柱の設置を改めて市に求めています。
さらに御者は馬の健康面でも対策は施されているとして、廃止に反対しています。
御者 アーメットさん
「馬は1年に2回は健康診断を受けないといけないんだ。この子は先週受けたばかりだよ」
元競走馬だという15歳のチョコレートくん。セカンドキャリアとして馬車をひいています。
ニューヨーク市は、気温が32℃以上になると、馬を働かせてはいけないほか、定期的な健康診断を義務付けるなど厳しく規制しています。
市によりますと、現在、免許を持つ御者は200人ほどで、およそ160頭の馬が登録されていますが、法案が可決されれば、馬車は2028年5月末までに廃止され、馬も人も仕事を失うことになります。
御者 アーメットさん
「馬にとってこの仕事は喜びで、とても楽しんでいます。馬がこの街を築き、今のセントラルパークの風景を築いたのです。なぜ、馬車の運行を禁止しようとするのでしょうか?」
廃止か存続か。ニューヨーカーの意見は割れています。
法案に賛成
「馬は暑いなか、一日中立ちっぱなしで、必要な運動もできずに重い機材を引っ張っている」
法案に反対
「法案は見当違いだと思います。馬は私たちよりも前からこの街にいて、御者によって大切に世話されています」
150年続いてきたニューヨークの風景が変わるのか。法案は早ければ今月にも市議会で審議される見通しです。
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