(ブルームバーグ):原油相場は2営業日続伸。米国とイランの戦闘が再び激化し、ホルムズ海峡を通るエネルギー輸送の混乱が長期化するとの懸念が強まった。
北海ブレント原油は1バレル=91ドル前後で推移。米軍がホルムズ海峡の島を攻撃し、イランがアラブ首長国連邦(UAE)とヨルダンへの攻撃で報復した。米・イランの交戦は約1カ月ぶりとなる。代表的な米国産油種ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は86ドルを上回った。前日は2.8%上昇し、3週間ぶりの大幅高となった。
原油は8月、値動きの荒い展開となる中で月間ベースでは小幅高にとどまった。イラン戦争終結に向けた動きが進展と停滞を繰り返し、相場は振り回された。米国はイラン経済に壊滅的な打撃を与える方針も示している。トランプ米大統領は、戦闘によって米国の軍事力が消耗しているとの懸念を一蹴し、「小さな戦争だ」と述べた。
イランはヨルダンにある米軍基地を標的にした。ただ、現地メディアによると、ミサイルは迎撃され、被害が出る前に破壊された。トランプ氏は8月31日、FOXニュースに対し、米軍への攻撃に対応すると述べ、軍事的な応酬が続く可能性が高まった。
TDセキュリティーズのグローバル商品戦略責任者、バート・メレク氏は「イランとの戦闘の行方を巡る不透明感が続く中、トレーダーはこの1週間で原油のポジションを減らした」と指摘。「ホルムズ海峡で通常の通航が近く再開する兆しはなく、原油価格は今後も上昇するとみている」と述べた。
米国とイランの複数の現・元当局者は、戦争がさらに数カ月続くと予想している。中東での戦闘に加え、ロシアとウクライナの戦争を背景に供給が逼迫(ひっぱく)し、石油製品は原油以上に急騰。特にディーゼルの上昇が目立っている。
北海ブレント先物11月限はシンガポール時間午前10時31分(日本時間同11時31分)時点で0.7%高の1バレル=91.11ドル。WTI先物10月限は1%高の86.58ドル。
ホルムズ海峡を通じた原油輸出は続いている。探知を避けるため、位置情報を発信するトランスポンダを切ったタンカーが使われるケースも多い。UAEやサウジアラビア、クウェート、イラクなどペルシャ湾岸の産油国はいずれも一部の原油を輸出できている。
それでも、ホルムズ海峡を通航する船舶には攻撃を受けるリスクが付きまとう。英国海運貿易オペレーション(UKMTO)によると、オマーン近海のホルムズ海峡を湾外へ航行していたタンカーが、正体不明の飛来体3発の攻撃を受けたと報告した。地域の海運が直面するリスクを改めて浮き彫りにした。
一方、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は、イラン戦争初期に被害を受けたルワイス製油所の稼働を全面的に回復させた。事情に詳しい関係者が非公開情報として匿名を条件に明らかにした。世界最大級の同製油所は約1カ月にわたりフル稼働しており、ディーゼルとジェット燃料の輸出増につながっている。
原題:Oil Extends Advance as US-Iran Escalation Revives Hormuz Risks(抜粋)
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