米製薬大手イーライリリーは、未公開企業メリダ・バイオサイエンシズを最大28億8000万ドル(約4600億円)の現金で買収する計画だ。自己免疫疾患やアレルギー疾患の分野を強化し、リリーを世界最大の製薬会社に押し上げた肥満症・糖尿病以外にも事業を広げる取り組みの一環だ。

メリダは、免疫系の正常な働きを損なわずに、疾患に関わる自己抗体を標的とする治療薬を開発している。開発が最も進んでいるMER511では、バセドウ病と甲状腺眼症(TED)を対象に初期段階の試験が実施されている。いずれも既存の承認薬では根本的な原因に対処できていない。食物アレルギーやぜんそく、その関連疾患の治療薬候補の開発も進めている。

リリーは買収に過去最大規模の資金を投じており、2026年に発表した案件は総額200億ドルを超える。肥満症治療薬「ゼップバウンド」と糖尿病治療薬「マンジャロ」で得た豊富な資金を使い、新薬候補の多様化を進めている。次の大型薬を生み出す布石として、主に開発初期段階の医薬品に狙いを定めている。

BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・サイガーマン氏は投資家向けリポートで、「今回の買収は戦略的な資金活用で、リリーのこれまでの事業開発戦略にも沿っており、免疫・炎症領域の新薬候補の多様化にもつながる」と指摘した。「MER511はまだ開発の初期段階にあり、抗体の減少が持続的な臨床効果につながることを示す証拠はまだない。ただ、有効性が確認されれば、抗体が関与するさまざまな疾患で、複数の治療薬開発につながる可能性がある」とした。

リリーの株価は8月31日の通常取引で、1.5%安で引けた。

メリダ買収手続きは2026年10-12月(第4四半期)に完了する見通し。リリーは現金で前払い金を支払うほか、メリダの製品開発が一定の条件を満たした場合には、マイルストーンに応じた追加の支払いをすると、声明で明らかにした。詳細は示していない。

原題:Lilly to Buy Merida for $2.88 Billion in Autoimmune Push (2)(抜粋)

--取材協力:Jessica Nix.

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