米財務省は、エジプト第2位の銀行バンク・ミスルのアラブ首長国連邦(UAE)支店を米金融システムから切り離す措置に動いた。戦争終結に向けて、イランへの圧力を強める取り組みの一環だ。

財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は28日、バンク・ミスルのUAE支店について、米金融機関とのコルレス銀行取引(国際送金・決済のための銀行間取引)へのアクセスを取り消す措置を提案した。

米財務省はバンク・ミスルUAEについて、イラン政権が米ドルにアクセスする上で「重要な拠点」だと指摘。2024年1月から26年6月にかけて、イランのシャドーバンキング網とみられる103社のために、約18億ドル(約2900億円)の取引を処理したと推計している。

これを受け、UAE中央銀行は29日、米当局の発表で言及された2年余りの期間について、バンク・ミスルの取引を「特別かつ緊急に検査することを決定した」と発表した。

UAE中銀によると、調査では米当局が対象とした期間を遡って詳細に検証し、米側の声明で名前が挙げられた企業の銀行取引を重点的に調べる。

UAE中銀は、国内で認可を受けた銀行に対し、UAEの金融システムを風評リスクにさらさないよう求めていると説明。米国の措置が発効した場合のバンク・ミスルの扱いについても、UAEの顧客に対する同行の義務を考慮しながら対応を検討するとしている。

一方、エジプト中央銀行は、今回の措置を巡り米国側と連絡を取っていると説明した。対象はバンク・ミスルのUAE支店に限られ、同行のエジプト国内支店や他国の支店を含め、エジプト銀行セクターの他の金融機関には措置は及ばないと述べた。

ベッセント米財務長官は24日、イランへの圧力強化の一環として金融機関に対する「重大な発表」を行うと予告。市場や各国政府の間では、イラン産原油の90%超を購入している中国の銀行を、米国が制裁対象とするかどうかに注目が集まっていた。

元米制裁当局者で、キャピトル・ピーク・ストラテジーズ創業者のアレックス・ザーデン氏は、疑わしい違法活動が2年間で18億ドルという規模は、「イランのために中国の銀行が扱う取引と比べれば、端数にすぎない」と述べた。

原題:US Moves Against Egyptian Bank’s UAE Branches Over Iran Ties (2)、UAE to Investigate Banque Misr Branch After US Cites Iran Links(抜粋)

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