米金融大手モルガン・スタンレーは、ステーブルコインやトークン化、分散型金融のアプリケーションなどの技術を検証する「デジタル資産ラボ」を設置した。同社は、ブロックチェーンを基盤とするシステムの事業全体での活用方法を検討している。

この取り組みは、モルガン・スタンレーがすでに展開しているイノベーションラボ網の一環。銀行などの金融機関では、デジタル資産とそれを支える技術への投資が広がっている。とりわけ、従来型の資産をブロックチェーン上で扱う動きが加速している。株式や債券、現金などの資産をブロックチェーン上で扱える形にする「トークン化」によって、売買や受け渡しをより迅速に、24時間いつでも行えるようになる可能性がある。

エイミー・オルデンバーグ氏

同社のデジタル資産チームを率いるエイミー・オルデンバーグ氏は「デジタル資産ラボによって、安全で規制要件を満たし、ほかのシステムから切り離された環境で、デジタル資産のこうした新たな分野について検証を進め、その可能性を探ることができる」と述べた。同氏のチームは、トークン化預金や中央銀行デジタル通貨、トークン化されたマネー・マーケット・ファンドなど、さまざまなデジタル通貨や現金に近い資産も検証する予定だ。

ウォール街の金融機関は、10年ほど前からブロックチェーンの活用を探ってきた。トランプ米大統領の下で規制環境がデジタル資産に追い風となっているほか、従来の金融市場をブロックチェーン上に移す動きも広がり、取り組みが加速している。

オルデンバーグ氏によると、特に関心が高い分野の一つが、分散型金融の「ボールト」だ。

ボールトとは、ブロックチェーンをベースとするソフトウエアを使い、あらかじめ決められた戦略に従って、資金を自動的に運用する資産プールを指す。投資家がステーブルコインなどのデジタルトークンをボールトに預けると、その資産はさまざまな分散型市場で運用される。投資家は通常、ボールトでの自らの持ち分を示すトークンを受け取る。運営者は、運用手数料を受け取ることができる。

資産運用会社にとっての魅力は、ボールトがポートフォリオ運用や事務管理の一部を自動化する投資ファンドに似ている点にある。これにより、運用会社は新たな投資商品を開発し、運用戦略の実行を自動化して、24時間運用できる可能性がある。

オルデンバーグ氏は「今後、ボールトが金融の仕組みの一部になる可能性は十分にある」と述べた。モルガン・スタンレーは今年に入り、デジタル資産分野の計画の一環として、E*Tradeのプラットフォームで暗号資産取引を開始した。

原題:Morgan Stanley Builds Crypto Lab to Test Future of Wall Street(抜粋)

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