暗号資産(仮想通貨)ビットコインは8万ドルを再び上回った。上場投資信託(ETF)への根強い需要と、投機的な市場全般でのセンチメント改善を背景に回復基調が続いた。

米エヌビディアの業績見通しを受け、AI関連投資への信頼感が回復し、テクノロジー株が急伸する中でビットコインも上昇した。ビットコインが次の上昇局面に入るには、投資家がAI関連の勝ち組銘柄から資金を移す必要があるとの見方に反する展開だ。現時点では、AI関連株とビットコインの双方が個人投資家のリスク選好の恩恵を受けている。

こうした動きは、相場観やモメンタムへの依存度が特に高い資産クラスである暗号資産にとって重要だ。価格が持ち直すと、デジタル資産の投資家が市場について抱く見方も改善する傾向があり、デイトレーダーを呼び戻し、売買高を押し上げ、最終的には新たな需要を生み出す可能性がある。数カ月にわたる価格下落とセンチメント悪化を経て、市場にある程度の熱気が戻ること自体が、反発を持続させる仕組みの一部になり得る。

そうした動きが起きつつある兆候もみられる。ウォール街では再び強気の価格予想が示され、ETFへの資金流入もプラスに転じている。ブルームバーグの集計データによると、投資家は過去8営業日で米国のビットコインETFに26億ドル(約4100億円)超を投じた。

ビットコイン・システミのデータによると、ビットコインは米最大の暗号資産交換所コインベースで、世界最大手バイナンスに対して、約3カ月ぶりにプレミアム価格で取引されており、米国での需要が強まっている可能性を示している。

暗号資産ウォレットのビットゲット・ウォレットのリサーチアナリスト、レイシー・ジャン氏は「これはETFを通じた機関投資家の資金配分が戻りつつあることを示している。一方、米国の暗号資産交換所全般で需要は改善しているものの、まだ明確に強い水準には達していない」と述べた。

ビットコインは一時3%高の約8万797ドルまで上昇した後、上げ幅を縮小した。暗号資産の元祖であるビットコインは今週初め、レバレッジをかけたポジションが過去最大規模で清算された後、5月以来初めて8万ドルを突破した。それでも、昨年10月に付けた約12万6000ドルの過去最高値を大きく下回っている。

8万ドルを突破したことは、当初のショートスクイーズが一巡した後も相場の上昇モメンタムが続いていることを示す。8万ドル台を維持できるかどうかは今後、トレーダーが買い戻しを強いられることよりも、投資家が自ら買いを選択するかどうかに一段と左右される。

トレーディング会社LO:TECHのティム・メッグス最高経営責任者(CEO)はメッセージで「週末にかけて上昇する可能性がある」と指摘。「ここから次の上昇局面に入るには流動性が鍵になる」と述べた。

原題:Bitcoin Retakes $80,000 Amid Increasing Signs of Fresh Demand(抜粋)

--取材協力:Isabelle Lee.

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