韓国のSKハイニックスは27日、米インディアナ州で先端メモリーのパッケージング施設の起工式を開いた。戦略的に重要な産業のサプライチェーンと製造拠点を米国内に再構築する米政府の大規模な取り組みにとって、一つの節目となる。

施設はインディアナ州ウェストラファイエットの133.5エーカー(約54万平方メートル)の敷地に建設し、投資額は40億ドル(約6400億円)超に達する。SKハイニックスにとって、米国初の広帯域メモリー(HBM)パッケージング拠点となる。郭魯正最高経営責任者(CEO)は起工式で、クリーンルームを2028年10月までに開設する見通しで、次世代HBMの量産を29年下期に始める計画を明らかにした。全面稼働時には約1000人を雇用し、主要なHBM拠点となる見通しという。

HBMは、世界的に急拡大する人工知能(AI)向けハードウエア市場に欠かせない部品だ。米エヌビディアの最先端AIアクセラレーターシステムを組み立てるうえで不可欠だ。こうした需要を追い風に、SKハイニックスは韓国でサムスン電子に次ぐ時価総額2位の企業に成長した。サムスン電子もHBMなどメモリー製品に対する需要急拡大の恩恵を受けている。

インディアナ州の事業は、2022年にバイデン大統領(当時)が署名した国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づく支援の対象となっている。CHIPS法に基づき、SKハイニックスは最大4億5800万ドルの補助金と最大5億ドルの融資を受けられる。この制度は、半導体生産の海外依存を減らし、重要な半導体製造やパッケージング、研究機能を米国内に取り戻すことを目的としている。

郭氏は起工式で、この施設が米国内にあるAI半導体サプライチェーンの強化につながると述べた。米政府はこうした供給網を経済と国家安全保障の両面で不可欠と位置づけている。郭氏は「米国での投資と協力を拡大し、ともに成長し、米国のAIの未来を形作るうえで最も信頼されるパートナーになる」と述べた。

今回のインディアナ州への投資が特に重要なのは、米国の半導体サプライチェーンで手薄な先端パッケージングを対象としている点だ。先端パッケージングは、従来の微細化による性能向上が難しくなるなか、複数の半導体を一つのパッケージにまとめ、垂直方向に積層するなどして性能を高める技術だ。

SKハイニックスによると、韓国で生産したウエハーをインディアナ州に輸送し、パッケージングと検査をした後、米国の顧客に供給する。建設や操業、関連産業を通じて、直接・間接で約7000人の雇用を生み出す見通しだ。材料や部品、装置の調達先として100社超を検討しており、周辺に半導体関連企業が集まる可能性もある。

SKハイニックスは近隣のパデュー大学とも協定を結び、HBMやシステム統合、先端パッケージングの研究で協力する。生産ラインに併設して、先端パッケージングの研究開発(R&D)用の試験施設も設ける。インディアナ州は朝鮮戦争に約14万人の兵士を送り出すなど、韓国と歴史的なつながりがある。親会社のSKグループは、在韓米軍に所属した元軍人に新たな雇用やキャリア形成の機会を提供することも明らかにした。

原題:SK Hynix Starts Construction of $4 Billion Memory Hub in Indiana(抜粋)

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