(ブルームバーグ):ウォール街で最も弱気な見通しを掲げるのは、なかなかつらいものだ。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米国株・クオンツ戦略責任者、サビタ・スブラマニアン氏なら、その苦労をよく知っている。
スブラマニアン氏が米国株に慎重な姿勢を崩さない背景には、AIインフラ整備に伴うレバレッジ拡大と、異例の低水準にある信用スプレッドへの懸念がある。これらは信用サイクルの悪化が近づいている兆候かもしれないからだ。
ブルームバーグが20人超のストラテジストを対象に実施した調査では、スブラマニアン氏が示すS&P500種株価指数の年末目標が最も低い。7100という予想は、26日終値から7.5%の下落を意味する。
「私の予想にはかなり批判が寄せられている。ここ何年かで最も多い」とスブラマニアン氏はインタビューで語った。「以前は顧客から『強気になりすぎない方がいい』とたしなめられたものだが、今では『サビタ、いったいどうしたんだ。いつ予想を引き上げるんだ』と言われる」
それでもスブラマニアン氏は予想を変えていない。ここ数週間では、ドゥブラフコ・ラコスブハス氏を中心とするJPモルガン・チェースのストラテジストらや、ウォール街のベテラン、エド・ヤルデニ氏が予想を引き上げた。これを受け、ブルームバーグ調査の年末予想の平均は7901に上昇。26日終値を2.9%上回り、スブラマニアン氏の予想を11%上回る水準となった。
スブラマニアン氏は、ハイパースケーラーや超大型ハイテク株に魅力があることは認める一方で、こうした銘柄群は全体として、アンダーパフォーマンスに陥る瀬戸際にあるとの見方を示した。
「こうした銘柄の中には今後好調となるものもあれば、そうでないものもある」としたうえで、「ただ、銘柄群全体でみれば、アンダーウエートとまではいかなくても、イコールウエートが妥当だと思う」と述べた。
一方、27日の市場ではAI関連株が再び大きく上昇した。エヌビディアが2028年1月通期の売上高が約70%増加するとの見通しを示したことで、AI投資の勢いをめぐる懸念が和らいだ。
ただ、スブラマニアン氏は強気に転じるには、特にAI分野で「設備投資の拡大が実際の収益化につながっている兆し」を確認する必要があると述べた。演算能力の需要は極めて強く、その点で現在のテクノロジーブームは1990年代後半のドットコム時代とは異なるという。
レバレッジは急上昇しているものの、現在借り入れをしている企業は、ドットコム・ブーム当時の企業に比べ、事業内容も財務状況も良好だという。
スブラマニアン氏が選好するのは大型バリュー株だ。エネルギーや金融、一部のソフトウエア企業についても、事業が健全でバランスシートも良好だとしている。
今年、グロース株指数とバリュー株指数の構成銘柄が変わったことで、バリュー株の魅力が一段と高まったという。半導体株がバリューからグロースに移る一方、ソフトウエア企業や一部のハイパースケーラーがバリューに移った。
「私にとっては考えるまでもない」とスブラマニアン氏は語った。「割高な価格を払うことなく、質の高い銘柄を買える分野を選別するうえで、とても有効な方法だ」
原題:BofA’s Subramanian Takes ‘Flak’ for Street-Low S&P 500 Call(抜粋)
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