(ブルームバーグ):オーストラリア2位の年金基金は、日本銀行の利上げを市場が過小評価しているとみている。円のオーバーウエート幅をここ数年で最大に引き上げた。
約3700億豪ドルの資産を運用するオーストラリアン・リタイアメント・トラスト(ART)は、円が1ドル=160円に向けて下落する中、ここ6カ月にわたり円の持ち高を積み増してきた。その一部は米ドルへのエクスポージャーを減らすことで賄ったと、シニアポートフォリオマネジャーのジミー・ルーカ氏がインタビューで明らかにした。
多くの投資家が円売りを狙う中、今回の動きは珍しい円強気のポジションだ。エネルギー価格が高止まりする中、日銀は利上げを急がないとの見方から、円は先月、40年ぶりの安値を付けた。ルーカ氏によれば、市場はエネルギー価格上昇が円に及ぼす悪影響を織り込んでいる一方、日銀の利上げの可能性を低く見積もり過ぎている。
ルーカ氏は25日、「この2つの要因に変化が生じれば、円の支援材料になるはずだ」と指摘。「実際、われわれは円をオーバーウエートとしている。円は非常に割安に見える」と話す。
ブルームバーグの集計データによると、スワップ市場が織り込む日銀の9月利上げ確率は80%で、10月までの利上げは完全に織り込まれている。ルーカ氏は、日銀が来月金利を引き上げ、エネルギー価格の上昇で政策運営が難しくなる前に2回利上げする可能性を示唆するとみている。特に、11月の米中間選挙後に中東の紛争が激化すれば、エネルギー高で政策運営が難しくなることがあり得る。
円のオーバーウエートはARTの機動的な資産配分戦略の一環で、ハイグロース・オプションでは約0.5ポイントの上乗せとなっている。
ルーカ氏はドル・円の適正水準を1ドル=150円前後とみており、140円台後半に達する可能性もあるとしている。
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