投資家が長期国債を保有する際に求める上乗せ金利は、予想外の景気悪化がない限り、高止まりする可能性が高いと、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はみている。利回りの上昇局面は債券を買う好機になるという。

米30年国債の利回りは約20年ぶりの水準まで上昇した。長期債のアンダーパフォームでイールドカーブがスティープ化し、タームプレミアムが上昇した。ピムコによると、欧州や英国、日本でも長期債利回りが上昇している。

ピムコで非伝統的運用戦略の最高投資責任者(CIO)を務めるマーク・サイドナー氏と、新興国市場ポートフォリオ運用責任者のプラモル・ダワン氏はリポートで、「引き続き債券は魅力的だとみており、利回りの上昇が続けば買い増しを検討する。利回り上昇によって、インカムやキャリーに加え、スティープ化したイールドカーブのロールダウン効果による収益機会も得られるためだ」と記した。

米国の公的債務残高が40兆ドル(約6357兆円)を突破し、借り入れコストが急上昇するなか、ベッセント米財務長官は先週、長期債の買い戻し計画を予想外に拡大し、市場の意表を突いた。ただ、市場の安堵は長続きせず、翌日には利回りが再び上昇した。世界的に財政負担や根強いインフレへの懸念がくすぶっている。

JPモルガン・チェースとPGIMは、米財務省の債務管理戦略における予測可能性が低下すれば、最終的に借り入れコストの上昇につながりかねないと警告している。資産家レイ・ダリオ氏は米国の債務危機がわずか3年後に迫っている可能性があると警告し、債券保有を減らすよう投資家に促した。

ピムコは、景気刺激を必要としていない経済への追加的な財政刺激策と、国債供給を巡る見通しの悪化が、利回りを一段と高いレンジに押し上げる主なリスクだと指摘した。

もっとも、米長期国債などの国債利回りは最近の上昇を経ても、過去の長期平均付近にあるにすぎないとピムコは指摘する。サイドナー、ダワン両氏は「現在の利回りが異例に高く見えるのは、世界金融危機後に人為的に抑え込まれていた金利と比べた場合だけだ」と記した。

2022年は投資開始時の利回りが低すぎたため、金利の急上昇に伴う債券価格の下落をインカムで補えなかった。現在は投資開始時のインフレ調整後利回りが高く、価格下落の影響を和らげるだけのインカムが期待できる。債券市場全体のパフォーマンスも底堅さを保っているという。

サイドナー、ダワン両氏は「現在の利回り水準は過去と比べても魅力的で、長期投資家にとって投資に踏み切る好機となっている」との見方を示した。

原題:Pimco Expects Elevated Term Premium, Says Bonds Are Attractive(抜粋)

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